もうひとつは、単純に「新品」が、新しい=「さら」の「品」物=「さらひん」に転化した。さらに、「さらひん」の音としての言いにくさから「さらぴん」となったのではないか……。もちろん推測の域を出ず、断定はできません。言語学が専門の先生にも伺いましたが、残念ながら現段階では明確な答えは得られませんでした。
「さらぴん」。誰がいつ頃から、そしてどこで言い始めたのか。謎は残りますが、少なくとも関西ではこの言葉が残り、使われ、生き続けている、と改めて感じました。
言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します。「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していきます。
(「ことばコトバ」第48回 ラジオ関西アナウンサー・林 真一郎)