時代により変化する「兵馬俑」 36体が京都に 「兵馬俑と古代中国〜秦漢文明の遺産〜」展 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

時代により変化する「兵馬俑」 36体が京都に 「兵馬俑と古代中国〜秦漢文明の遺産〜」展

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 生きた人間の姿を木や土に写し取ったものを「俑(よう)」という。古代中国では、亡くなった人を死後の世界で守るため、一緒に墓に入れる習慣があった。その俑に注目し、時代によって変わる歴史を紐解く特別展「日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国〜秦漢文明の遺産〜」が、京都市京セラ美術館(京都市左京区)で5月22日まで開かれている。

「日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国〜秦漢文明の遺産〜」  京都市京セラ美術館

 特別展では、春秋戦国時代から秦時代、そして漢時代の3つの時代=約1000年間に、俑がどのように変化したのか、他の出土品とともに紹介する。

 1974年、中国の畑で井戸を掘っていた農民が偶然見つけた兵馬俑には、秦始皇帝一人を“守る”のために約8000体が並べられていた。大きさは等身大で、およそ190センチに及ぶものもあった。一人一人にモデルがいたとされ、表情も生き生きしており様々だ。

 しかし、兵馬俑が等身大だったのは秦時代だけ。それ以前=春秋戦国時代の騎馬俑は小さく、その高さは22センチ。表情は素朴で、モデルとなる人はいなかったと考えられる。

 秦時代の後=漢時代の俑は、実在のおよそ3分の1程度の大きさとなり、個性のない顔になる。秦始皇帝との皇帝権力の違いを読み取ることができ、漢時代の人々はむしろそれで安心したといわれる。

 会場には、兵馬俑合わせて36体が展示され、その大きさの違いと変遷を見ることができる。また秦・漢王朝の中心地域・関中(かんちゅう、現在の陜西省)の出土品など約200点を展示。日本初公開のものや国宝級のものも並び、紀元前770年の周王朝の遷都から220年の漢王朝の崩壊まで、約1000年にわたる歴史の旅へといざなう。

 京都市京セラ美術館の開館は、午前10時から午後6時まで。休館日は毎週月曜。ただし、会期中5月2日(月)は開館する。

京都市京セラ美術館

日中国交正常化50周年記念
「兵馬俑と古代中国〜秦漢文系の遺産〜」
会期:2022年3月25日(金)〜5月22日(日)
会場:京都市京セラ美術館 本館北回廊2階
【公式サイト】

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