はじめは洗濯機を使用し洗っていましたが、よりクタクタに洗い加工をするため、会社の片隅に簡易なプールを作成して従業員が洗うことにしました。徐々に人気が出始めると、生産が追いつかなくなり、クリーニング店にジーンズを洗って欲しいと依頼をします。これが日本のジーンズの洗い加工業の原点となったそうです。
洗い加工をしてからのジーンズの販売は他のメーカーにも広がっていき、加工のアイデアとして破れた「ダメージジーンズ」なども生まれていきました。ビッグジョンは1973年に日本で初めて生地や縫製など、すべてが日本製の純国産のジーンズを販売開始。世界でジーンズが生まれた1873年から100年後に純国産のジーンズが日本で誕生したことになります。
ジーンズの魅力について松田さんは「ヒゲやハチノス、アタリといった色落ちは履く人によって形が異なります。自分の癖や生活が刻まれていくもの、それがジーンズの魅力です」と語ります。みなさんもこの春、お気に入りのジーンズをイチから育てる、または加工されたお気に入りの一本を見つけてみてください。
(取材・文=宮田智也/放送作家)