4月から成人年齢が18歳に 弁護士に聞く、成人として身につけておきたい契約トラブル回避法 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

4月から成人年齢が18歳に 弁護士に聞く、成人として身につけておきたい契約トラブル回避法

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私が弁護士としてこれまでに関わった裁判で印象的だったのは、先物取引業者の悪質な勧誘で1億円以上を失った高齢者の裁判です。無事、全額取り戻すことができたのですが、業者と契約の上で取引をしたものについて、その損害を取り戻すことにはハードルがありました。先物取引は価格変動するものなので得もあればもちろん損もあります。単純に損害を被ったからといっても自己責任という見方をされることが多く、お金を取り戻すのは簡単ではありません。でも業者側があまりにも悪質だったので、なんとしても取り戻そうとあらゆる方向からアプローチしました。

――若者に限らず、誰しもが注意する必要がありますね。では、トラブルに合わないために気をつけるべきことはなんでしょうか?

とにかくよく分からない契約は交わさないようにしましょう。もし契約を結んでしまったとしても、お金を払っていない段階ならば支払を拒否することによって被害を食い止めやすいです。お金を渡してしまうと取り返すためにかなりの労力がかかりますが、支払っていない状態の場合には、相手側に引け目があれば、裁判を起こしてまでお金を取り立ててこないことも考えられます。

まずは契約を結ぶときはしっかり内容を理解してから。万が一、契約してしまっても変だと思ったら、早い段階、できればお金を支払う前に弁護士や地域の消費生活センターに相談してください。

――あきらめずにまずは相談することが大切ですね! ありがとうございました。最後に村上弁護士が現在取り組んでいることや今後の抱負を教えてください。

仕事のデジタル化やDXへの取り組みなど「働き方の改革」を実践、意識しています。今までは紙の書類で仕事をしていましたが、データにしてパソコンで作業をすればどこでも仕事ができる時代になってきています。進化したテクノロジーを駆使して単純作業を省けば、自分の時間をたくさん作ることができます。仕事をする上で場所を選ばないので、その空いた時間で世界中を巡ったり、山の中から仕事をしたり。そうすることで今までになかった新しい発想が生まれ、課題の解決や抱えている問題の打開策につながると考えています。もちろんセキュリティーや個人情報の保護も重要なので、顧問先の会社がデジタル化やDXに取り組むときは、会社のルール整備などをアドバイスすることにも力を入れています。

今後の抱負は、もっと一人ひとりの自由を実現することです。弁護士の世界だけではなく、社会全体が変わっていって、「時間の奴隷」のような生活をする必要がなくなり、みんなが自分らしく毎日を過ごす時間を持てる社会になれば、いじめや誹謗中傷、他人を攻撃することも減り、平和で豊かな世の中を作ることができると考えています。自分自身が充実していたら、他人を陥れようとしないもの。“不満があるから他人にあたる”、このような負の連鎖を断ち切るための縁の下の力持ちになりたいと思っています。

◆村上英樹(むらかみ・ひでき)弁護士 神戸むらかみ法律事務所
灘高校から京都大学法学部に入学。2000年4月弁護士会登録。「分かってこそ法」と いう合い言葉で、専門的な話であっても、聴いている人に分かる言葉で説明を心がけ る。 主に相続、交通事故、成年後見、消費者問題、会社顧問業務などのサポートを取り扱う。

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