《JR福知山線脱線事故17年》”栞”の意味、かみしめて・・・安全願い「空色の栞」沿線で配布 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《JR福知山線脱線事故17年》”栞”の意味、かみしめて・・・安全願い「空色の栞」沿線で配布

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 事故現場は列車が衝突したマンションがむき出しになった状態だった。そして2018年に「祈りの杜」という慰霊施設へと整備された。
 事故から17年という年月、それぞれに出会いがあり、別れもあった。ここ数年で福田さんから「折り合いをつけて生きる」という言葉が聞かれるようになった。そして「みんな、実態がないという生き方をしているのではない」と話す。去年(2021年)は、事故からそれぞれが自分の信じた道を歩いてきた、いわば「旅の途中」をイメージ。今年は明るい色が増えたというのも、気持ちの変化があったのかも知れない。福田さんは昨年6月、新しい命を授かった。つぶらな瞳で訴えかける幼い娘を抱きながら、母としていつかこの事故を語る日が来るかも知れない。

「空色の栞」2022年原画
「空色の栞」2022年原画

 見上げれば青空、広がる菜の花畑の中を一本の道が貫き、2人が手をつないでいる。ともに歩もうとしているが、立ち止まっているようにも見える。「少しずつ、少しずつ…」。道のかたわらに、大きく横たわる石がある。福田さんは、「保護しなければいけないんです。遺跡は」とだけつぶやいた。遺跡は事故現場を意味するのか、見えるがままの石の塊(かたまり)なのか…。栞を手に取った人がそれぞれ思い描いてほしいと話す。

「空色の栞」はJR尼崎、伊丹、川西池田、宝塚など6駅で無料配布。安全安心な社会の実現を誓う思いを伝える。

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