「昭和の喜劇王」とうたわれる故・藤山寛美の三十三回忌に当たる今年、追善公演が、大阪・東京・京都で開催される。藤山寛美に所縁深い演目と舞台映像で、在りし日の姿に思いをはせる機会となりそうだ。
藤山寛美は、昭和の演劇を背負った偉大な日本の喜劇王とも言われ、お茶の間でも子どもからお年寄りまで、知らない人はいない大スタ―だった。1990年、60歳の若さで急逝した。「松竹」では2年前(2020年)に没後30年として公演を企画したが、新型コロナウイルスの影響で延期となった。三十三回忌となる今年、名作・傑作の中から選んだ作品を上演する。
5月の大阪松竹座、そして7月の東京・新橋演舞場では、『愛の設計図』『大阪ぎらい物語』を、10月の京都・南座では『えくぼ』『はなのお六』を上演。いずれも、昭和20年代から30年代に初演された上方喜劇の名作だ。娘・藤山直美と孫・藤山扇治郎のほか、藤山寛美ゆかりの人や劇団員が出演する。
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11日に行われた制作発表会で、藤山直美さんは、「昭和の喜劇は賑やかで楽しい。お客様に喜んでもらうのが一番大事。上方喜劇をちゃんと伝えていきたい。精一杯演じます」と意気込みと語った。一方で「追善公演としてはこれで区切りにしたい。今後父を超えるような役者が出ることが追善になる」と話した。
また、藤山扇治郎さんは「祖父は私が3歳の時に亡くなったので、ほとんど記憶にない。仕事に厳しい人で、厳しいだけではなく人を思う心、その人の気持ちになって考える人だった。作品を通して学んでいきたい」と話した。
「藤山寛美三十三回忌追善 喜劇特別公演」の皮切りとなる大阪公演は、5月3日(火・祝)から26日(木)まで大阪松竹座で上演予定。
「藤山寛美三十三回忌追善 喜劇特別公演」
5月大阪公演 5月3日(火・祝)~26日(木) 大阪松竹座 「愛の設計図」「大阪ぎらい物語」
7月東京公演 7月1日(金)~25日(月) 新橋演舞場 「愛の設計図」「大阪ぎらい物語」
10月京都公演 10月1日(土)~23日(日) 京都四条・南座 「えくぼ」「はなのお六」
【「藤山寛美三十三回忌追善 喜劇特別公演」(松竹公式HP)】