「否定しない養母の存在が救いに」 イラン生まれのサヘル・ローズが川嶋あいに語った“寄り添い”のカタチ

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 シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)に、イラン出身で、現在は日本で俳優・タレントとして活躍するサヘル・ローズさんがゲストとして登場。サヘルさんの壮絶な過去を振り返りながら、その経験で得た学びについて聞いた。

(写真左から)ゲストのサヘル・ローズさんと番組パーソナリティの川嶋あい

 1985年、イラン・イラク戦争のさなかにあったイラクで誕生したサヘルさん。7歳までイランの孤児院で過ごした後、養母とともに来日。公園での野宿生活などさまざまな困難を乗り越え、現在は俳優・タレントとして脚光を浴びる傍ら、国際人権NGOの活動も積極的に行っている。2020年には、アメリカで人権活動家賞を受賞。タレント活動と並行して、これまでに世界各地の難民キャンプを訪れ、孤児やストリートチルドレンら、困難に直面する子どもたちに寄り添い続けている。

 番組では、サヘルさんの壮絶な人生に驚きを隠せない川嶋が「サヘルさんにとって、これまでで1番つらかったことは?」と尋ねると、サヘルさんは「今振り返ると、等身大で生きられなかったことが一番つらかったかもしれないです」と告白。「子どもの時って、徐々にいろんなことを大人から学べたり、子どもなりの楽しさがあると思うんです。私だけでなく、親が苦しんでいる子どもや居場所のない子どもは、必死に大人にならないといけない状況に置かれてしまうんです」と、大きな苦労を背負う子どもたちを、自身の幼少期と重ねつつ思いやった。

「なおかつ外国籍の子どもたちは、小さい時に日本に来るとすごく早く語学を吸収するんですが、大人は子どもを食べさせるために必死で働いているので語学が追いつかない。そういう場合、子どもは大人の通訳をしたり、家事の手伝いなど、子どもの方が『一生懸命親を支えないといけない』という本能が働くので、等身大で自分らしく生きられた経験がないんですよ」(サヘルさん)

「気遣いができることは長所でありながら、同時に苦しさでもある」と話すサヘルさんは、リスナーの中にも同じような悩みを抱えている人がいるはずだと、言葉を続けた。

 来日して日本の学校で過ごすこととなってからは、言葉の壁や文化の違いに苦しんだという。個人が認められる海外とは違う、日本の“グループ社会”に心を押しつぶされてしまい、「私の色って、個性って何だろう」と自分を見失い、「周りに合わせることしかできなくなった」と当時を振り返った。

 養母と衝突も起きたなか、自死を考えたこともあったそう。その時「一緒に死のう」と声をかけてくれた養母は、どんな時もサヘルさんを肯定してくれたという。「(養母は)どんな選択も私に委ねてくれました。『それでいいんだよ』と、否定しない養母の存在がすごく救いでした」と明かし、相手の違いを認めたうえで、違いを楽しめることの大切さに気づいたのだと語った。

 コロナ禍となって2年。言葉の無力さを感じてしまっているというサヘルさん。だからこそ、「目の前で苦しんでいる人にどんな言葉をかけたらいいか分からない時、無理に言葉をつむぐ必要はない」と話し、抱きしめること・スキンシップをはかることが心を癒すこともあると伝えた。この言葉に川嶋も大きくうなずき、「もしも目の前に苦しんでいる人がいたら、ぜひ抱きしめていただきたい」とコメントした。

ゲストのサヘル・ローズさん(写真右)と番組パーソナリティの川嶋あい

2022年4月、ラジオ関西で放送スタート!
『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(パーソナリティ:川嶋あい)
【番組公式ブログ】

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