まもなく大型連休を迎えようとするなか、兵庫県は25日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、感染第6波の対応について評価し、次なる波への対応について協議した。会議後の会見で斎藤元彦知事は、感染状況は下げ止まりとリバウンドの繰り返しで現在は小康状態という見方を示し、「大型連休を前に県民の皆さんには感染防止対策の徹底をお願いしたい」と呼び掛けた。
緊急事態宣言もまん延防止等重点措置もない大型連休は3年ぶりで、斎藤知事は「旅行やレジャー、帰省などで人の流れが生まれ、感染のリスクが高まる」と指摘し、感染リスクの高い行動を避け、マスクの着用など基本的な感染防止対策の徹底を呼び掛けた。特に職場や学校などで、休憩や食事の際のマスクを外したままでの会話には注意してほしいとした。
また、若い世代のワクチン接種が進んでいないことから、県内の大学などから大規模接種会場への送迎支援について国の助成に県独自の助成を上乗せした1人当たり上限2000円の支援を行うほか、姫路と西宮に設けられた県の大規模接種会場では予約なしでも接種が可能だとして、接種を検討するよう呼び掛ける。
さらに県独自の措置として、飲食店などに対する「同一テーブル4人以内。短時間での利用」への協力を引き続き要請する。
一方、大型連休中は長期休業となる医療機関が多いことから、連休中も診療を行う医療機関を県のホームページで公表するほか、県の新型コロナ健康相談コールセンターでは24時間体制で対応する。また入院医療体制については、入院患者が高止まりの傾向にあることから当面1,400床程度を確保する最高レベルでの運用を続ける。
斎藤知事は「現在のデータでみると感染状況は安定している。第6波のピーク時からは下がっているが下げ止まりとリバウンドを繰り返している。注意しないといけないことはこれまでと同じだ」として、「基本的な感染防止対策の徹底が大事。その上で大型連休を楽しんでほしい」と締めくくった。
また、神戸市は大型連休中に新型コロナ対応にあたる医療機関への支援を手厚くする。 4月29日から5月5日までの期間に、入院患者を受け入れる場合は、県の補助金にさらに2万4千円上乗せし、患者1人につき4万8千円を、外来診療を行う場合は1日当たり最大20万円を支給する。同市の久元喜造市長は、26日の定例会見の中で「都道府県をまたぐ移動についても特段の制約がなく、移動が活発に行われることも予想される。2年余りのコロナへの対応の中で、リスク管理に関する知識や知恵、経験が蓄積されているはずで、感染予防をしっかりと行ってほしい」と呼びかけた。