国内初の女子サッカー・プロリーグ「WEリーグ」で首位に立ち、29日にも優勝が決まる可能性がある、INAC神戸レオネッサ。そのチームの一員であり、前節(第18節)、24日のアルビレックス新潟レディース戦で勝利に貢献したMF水野蕗奈(みずの・ふきな)選手が、25日放送のラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)に電話出演し、今の心境を語った。
京都府出身、追手門学院高校を経て2019年にINAC神戸に加入した水野選手。3シーズン目となったWEリーグ初年度では、12試合に出場。中盤やサイドなどでユーティリティーにプレーする。前半戦は途中出場が主だったが、後半戦では左サイドでの先発機会が増え、最近3試合連続フル出場中だ。
背番号24の魅力はなんといってもドリブル。新潟戦では自身の突破からチャンスを多く導いた。成宮唯選手の決勝点のきっかけとなったのも、水野選手。左のタッチライン際でボールを受け、中にカットインしながら右足クロスを送ったことが、ゴールにつながった。
「仕掛けるというのは自分のよさでもあるので意識していた」という水野選手。「周りも、自分が仕掛けていいよという感じの雰囲気を作ってくれる。仕掛けても取られても、そのあとにまたボールを取り返せばいいじゃんと。いいほうのチャレンジはけっこうしてもいいという感じなので」と、経験豊富な選手たちの支えも、のびのびとプレーできている要因の1つになっている。
ただし、第17節のAC長野パルセイロ・レディース戦では勝利した試合後に涙する様子も見られた。「あれはちょっと……試合でうまくいっていなくて、もっとできると自分でも思っていたし、そういうの(自分のよさ)を出せなかったので。悔しいのが一番だった」と、当時の心境も明かした水野選手。その悔しさをバネに、次の新潟戦ではドリブルからの突破でチームに勢いをもたらした。
また、チームの主軸で、左サイドで絶対的な地位を築いた杉田妃和選手が、シーズン途中に海外移籍。その穴を埋める形で、左サイドに入っている水野選手には重責も託されている。それでも、「妃和さんの存在は大きかったが、サイドを自分がやるとなったとき、それでチームでよくならなくなるのはダメだなと思った」と気合いを込め、「試合に出る以上は自分の良さを出したほうがいいなと思ったし、自分のできることを出すという感じ」と、自身の特長を発揮することに集中。それが、最近のいいプレーにつながっているようだ。
番組パーソナリティーで元Jリーガーの近藤岳登から、「独特のリズムを持っているし、アウトサイドでボールを持つけど、インサイドで運べる。左足もしっかり蹴れる」と評価された水野選手。星川監督からは「自分の前にいくドリブルを武器だと思ってくれていて、そういうのはたぶん期待してくれているので、(ドリブルを)もっと出してほしいと言われている」そう。プロサッカー選手として「止める、蹴る」を大事にしているという21歳は、「楽しいというか、抜くとけっこうイエーイ!って思う(笑)」と、若手らしくドリブルの魅力をコメント。そんな彼女の今後の活躍には期待せずにはいられない。水野選手は最後に、「WEリーグ初代チャンピオンに必ずなれるように頑張ります! 応援よろしくお願いします!」とファン・サポーターにメッセージを送っていた。