「今、私たちが使っている九九は掛け算ですが、江戸時代までは割り算の九九がありました。それが『二進一十』などです。これは2を2で割ると1になります。3を3で割ると1…のように割り切れます。つまり(割り算の答えとなる)商が1(商一)です。これが割り切れないと『商一』が立たない、計算が成り立たない、ということから、どうすることもできない、行き詰まるなどの意味で『にっちもさっちも(二進も三進も)』と言われるようになったと思われます」
いやはや、かつてはそんな九九があったとは驚きました。こうした形で成立した言葉は、他にもたくさんあるのでしょうね。本当に奥が深いです。
言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します。「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していきます。
(「ことばコトバ」第52回 ラジオ関西アナウンサー・林 真一郎)