学部の垣根を越えて大学生が地域の課題について学ぶプログラムに役立ててもらおうと、4月28日、JA共済連兵庫は兵庫県立大学に1000万円を寄付した。
兵庫県立大学では、学びの機会を広げるため学部を越えた「副専攻」というプログラムを設けている。その1つである地域創生人材育成プログラム(RREP)は、兵庫県のそれぞれの地域が持つ課題を体系的に学び、フィールドワークなどを通して地域や自治体と関わり、実践的に活躍する力を身に着けてもらおうというもの。これまで、たつの市で醤油蔵を生かした取り組みなどを行っている。
JA共済連兵庫は、このような趣旨に賛同。気候変動による深刻な食料・水不足や自然災害、地政学上などのリスクに対し、地域を学び地域で活躍する力を身に着けることは、農業の人材を守っていくことにもつながるとして、寄付を決めた。昨年度は300万円だったが、「1年で終わるものではない」ことから、今年度から3年分として今回は1000万円の寄付となった。
兵庫県立大学の太田勲学長は、「プログラムをさらに充実させ、県内の地域の活性化、発展に貢献していきたい」と感謝の言葉を述べた。また、JA共済連兵庫の三森京介本部長は「新しい時代に対応できる人材育成に役立ててほしい」と話した。
兵庫県立大学によると、今春入学し、RREPを履修する学生は、三田市の有馬富士のプロジェクトに取り組む予定。寄付金は学生たちの交通費の他、すでに単位を取得した学生たちがさらに続ける活動などにも役立てるという。