「薫風」は本当に“いい匂い”? 辞書を開いて「汗のにおい」にたどり着いた…ってどういうこと!? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「薫風」は本当に“いい匂い”? 辞書を開いて「汗のにおい」にたどり着いた…ってどういうこと!?

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「くんぷう」、風薫る季節。まさにこの言葉にぴったりです。…と思ったのですが、本当に「薫る風」という意味なのか、気になって調べました。

『広辞苑 第七版』(岩波書店)によると「(1)南風。温和な風。かんばしい風。南薫。(2)青葉の香りを吹きおくる初夏の風。青嵐(あおあらし)。薫る風。…」などとありました。

 では「初夏」とは?

 広辞苑には「(1)夏のはじめ。はつなつ。陰暦4月の異称」。確かに今ごろのこと。間違いはなさそうです。

 気になったのが「かんばしい風」。はて「かんばしい」とは?

  広辞苑の「かぐわしい」の欄に、「【芳しい・香しい・馨しい】かぐは・し(中略)(1)香りがよい。かんばしい。こうばしい」などとあります。「かおり」はわかりますが、「こうばしい」とはいかに?さらに見てみると…

「こうばしい【香ばしい・芳ばしい】かうば・し(シク)(カグハシの音便)(1)香りがよい。においがよい」などとあり、4番目の意味として「こんがりこげたような、よいにおいである」と記載されていました。文中の「音便」とは、「日本語で音節の一部が脱落して、もとの音とは違った音に代わる現象。『咲きて』が『咲いて』『早く』が『早う』(以下一部省略)になる類」のことです。(広辞苑より)

 いま私たちは、「こうばしい」というと、おせんべいや、焼き魚などを思い浮かべますが、元々はこうした意味で使っていた言葉です。ちなみに、これらのほかに「おもしろい」や「美しい」「りっぱである」などの意味もあり、かつてはそうした使われ方をした時代もあったそう。

 一方、『「言いたいこと」から引ける大和ことば辞典』(東京堂出版)によると……


◆「ことばコトバ」アーカイブ記事

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