サッカー・J1のヴィッセル神戸は9日、今季初となる公開練習を実施した。
ヴィッセルが練習拠点とする神戸市西区のいぶきの森球技場では、ファンクラブ会員「VISSEL SHIP」から抽選などで選ばれたファン・サポーター約60人と、報道陣がトレーニングの様子を見学。そのなかでチームは、ロティーナ監督のもと、主に前日のJ1第12節ガンバ大阪戦でプレーしなかった選手たちや、DF菊池流帆選手ら出場時間が短かった選手たちが精力的に練習を行った。また、MFアンドレス・イニエスタ選手、MF山口蛍選手、DF槙野智章選手など主力組は軽めの調整で汗を流していた。
ACL(AFCチャンピオンズリーグ)グループステージを終えた後、最初のJ1リーグ戦となった8日のG大阪戦では、0-2と敗れたヴィッセル。前半に退場者が出て数的不利を強いられたなかでも奮闘したが、今季リーグ戦初白星を勝ち取ることはできず。依然として最下位と苦しい状況が続いているが、今回の公開練習でファン・サポーターの後押しを受け、チームもリフレッシュできたよう。ロティーナ監督もトレーニングで自らクロスを上げるなど、選手たちを活気づけていた。
ピッチでの全体練習終了後、チームから3選手が報道陣の取材に応じた。そのうちの1人、菊池選手は、前日のG大阪戦でのプレーや、前半34分に退場処分となったことについて、「振り返っても悔いしか残らないが、プレーは取り戻せない」と述べたうえで、「これは本当に逆境(から這い上がるため)のチャンスだと思っているし、今、ここで自分があきらめるか、さらに上に行くか、それを分ける境界線にいると思っているので。(成長のために)僕は絶対に自分を信じているし、これからもっともっと努力していくだけです」と前を向いていた。
また、G大阪戦では出場はなかったものの、タイで行われたACLグループステージで活躍を見せていたMF郷家友太選手は、次の出番に向けて意欲を見せていた選手の1人。ロティーナ監督のもと、右サイドで新境地を開拓中の背番号7は、「自分の立ち位置だったり、いなきゃならないポジションというのが明確になってきた。ACL前からACLをとおして(できているプレーは)個人としての収穫になっているんじゃないかなと思うし、ゴール前で勝負するところがACLでできていた。本当だったら、昨日の試合に出て、(そういったプレーを)やってやろうという気持ちはあった」とコメント。苦しい状況が続くチームの救世主となれるか、今後の活躍にも注目だ。
そして、ルーキーながらACLでは3試合に出場し、1日の傑志戦では初の先発フル出場も果たしたMF日髙光揮選手は、プロ入り後初となる公開練習を経験。5月11日に19歳の誕生日を迎える背番号44は「一つひとつの行動など見られていると思うので、自覚や責任をもって、日ごろからプロ意識をもってやっていきたい」と気を引き締めていた。ACLを通じて「試合に絡めたことで、成長幅というのはすごく伸びたかなと、すごく実感している」という期待の若手は、今後のJデビューに向けて「日々の練習からアピールしていくしかないと思うので、そこは死に物狂いでやっていきたい。監督やスタッフの人たちに『(試合に)出られるんやぞ』というのをアピールしないと使ってもらえないと思うので、そういう若さだったり勢いというのを出していって、試合に絡めるように頑張っていきたい」と気合いを込めていた。