大学生が冤罪(えんざい=無実の罪)とされる事件を調べていくうちに沼にはまっていくサスペンス。映画『死刑にいたる病』が全国公開中です。
大学生の筧井雅也(かけい・まさや)は、祖母の葬儀のため久しぶりに実家へ帰省します。自分宛てに届いた手紙を見つけ、封を開けました。
中には几帳面な文字。「僕のことを覚えていますか」と文面が始まりました。手紙の最後には「榛村大和(はいむら・やまと)」と書かれています。
榛村は、世間を震え上がらせた連続殺人犯です。24人を殺したとして逮捕され、死刑判決を受けました。
雅也の地元で、榛村はパン屋の優しい店主として好かれていて、中学生だった雅也もその店へよく通っていました。
榛村は「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい」と雅也へ依頼します。雅也は事件を自分ひとりで調べることにしました。
事件の被害者はいずれも黒髪で、制服を校則通りに着る真面目な高校生。決まった年代、決まったタイプの少年少女を狙い、決まった手順で殺害していました。パン屋のイートインでテスト勉強している高校生と信頼関係を築いて狙いを定め、拉致監禁して残忍な手口でいたぶり、最後は爪をはがしてコレクションしていました。
榛村が冤罪を主張する被害者は当時26歳で、年齢がほかの被害者のパターンに当てはまらないことから、雅也は真相へ近づこうとして榛村と面会を重ねます。こうした中、実家にあった古い写真に母親と榛村が一緒に写っているのを見つけます……。