「実際は、京都人が『はよ帰って』の意味を込めて『ぶぶ漬どうどすか?』ということはありません。……が、本音を隠して『いけず』を言う文化はありますね。例えば『うるさい人やな』という意味をこめて『元気な人やな』と言ったり、『がめつい(欲深い、厚かましい)人やな』という意味合いで『しっかりしてはるな』と声をかけたり……。遠回しにというのは京都人の特徴だと思います」(ぎおん川勝)
やはり、現在の京都で「ぶぶ漬け」を嫌味として供する人はおらず、夕ご飯のシメや夜食として出されるのが一般的なようです。つまり「ぶぶ漬けでもどうどす?」は、あくまで心からのもてなしや気遣いの一環ということ。もし京都でそう聞かれることがあれば、怖がらずにいただきたいものです。
(取材・文=つちだ四郎)
◆京つけもの ぎおん川勝
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