フェリシモは創業58年目を迎え、のべ2億3700万人に商品を届けた。販売した商品総数が10億2900万個で、ほぼすべてがオリジナル商品という。矢崎和彦・代表取締役社長は、フェリシモの特徴として神戸らしさに惹かれる女性の顧客が多いことを挙げ、「試行錯誤の末、ファッション性と交通事故防止を融合させたこれまでにないオリジナル商品が開発できた。事業性、独創性、社会性の同時実現を目指した企業活動を行う私たちにとって、新たなチャレンジだった」と話した。
フェリシモが警察とコラボレーションするのは初めて。生田警察署との企画ミーティングで、人気商品のマスクと傘袋は外せなかったという。フェリシモ・商品企画担当の岬直子さんはラジオ関西の取材に、「コロナ禍でマスクが必須なのはもちろん、傘袋については、雨の日は昼間でも薄暗く視界が悪いため、反射材をプラスすればより良い商品になる」と話した。またボディーバッグについては、コロナ禍で運動不足になっている女性が多く、昼間の陽射しを避けて、夕方以降にウォーキングをする人が、バッグをたすき掛けにしていることに注目したという。
岬さんにとって、商品開発でも新たな”気付き”があった。「警察署のように交通事故の傾向の分析データや統計資料を持ち合わせておらず、これまで日常生活での便利さを追求していた私たちにとって、お互いにないものを掛け合わせることができた。こうした取り組みを通して、日常生活で交通事故の被害者にも、加害者にもなるかも知れないという認識も高まった」と振り返る。