伝統的な版画の技法を新しい表現で追及する 「辰野登恵子」展 神戸 ・BBプラザ美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

伝統的な版画の技法を新しい表現で追及する 「辰野登恵子」展 神戸 ・BBプラザ美術館

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 空間を抽象的な形と豊かな色彩で表現する画家・辰野登恵子(たつの・とえこ)の版画作品に焦点を集めた展覧会「辰野登恵子―身体的知覚による版表現」が、神戸市灘区の「BBプラザ美術館」で開催されている。2022年6月19日(日)まで。

BBプラザ美術館

 会場には版画とは思えないような表情豊かな作品が並ぶ。

 辰野登恵子は、東京藝術大学大学院在学中の1970年代初めに、シルクスクリーンに出会った。アンディ・ウォーホルに代表されるポップアートに影響を受け、無機的なものに何か手を加えて有機的なものに変える……例えば線を少しずらすことで影や立体感を生み出し、形と色を使って「空間」を生み出した。以来、油彩やアクリルによる絵画制作と往還する形で、シルクスクリーンやリトグラフ、銅版画、木版画に取り組んだ。

 版画において「刷る」作業は、刷り師の手に委ねられる。辰野は「刷ってみないとわからないスリリングな魅力がある」との言葉を残しており、「刷り」を担当する職人や工房とのコラボレートアートだと考えていたという。そして版画で得た感覚は油彩=絵画制作にも生かされていた。

 会場には、初期から2010年代までの版画約45点の他、油彩画やスケッチなどが展示されている。並んだ版画と油彩画の質感=マチエールは見間違うほどで、版画からも筆遣いを感じることができる。また辰野が生前インタビューなどで残した言葉も添えられており、作品を深く知るヒントになる。BBプラザ美術館の担当者は、「辰野が自分なりの表現を追求していたか、作品を通して何か感じてもらえれば」と話す。

「辰野登恵子―身体的知覚による版表現」は6月19日(日)まで。開館時間は午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。月曜休館。入館料は、一般400円、大学生以下は無料、65歳以上と障害のある人、その付き添い(1人)はそれぞれ半額となっている。問い合わせはBBプラザ美術館(電話078-802-9286)


「辰野登恵子―身体的知覚による版表現」
会期:2022年4月19日(火)~6月19日(日)
会場:BBプラザ美術館(兵庫県神戸市灘区岩屋中町4-2-7 BBプラザ2F)
開館時間:10:00~17:00(入館16:30まで)
休館日:月曜
電話:078-802-9286
【公式HP】

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