神戸・ポートアイランド北公園の「みなと異人館」(神戸市中央区港島2丁目)が6月4日(土)、3年ぶりに一般公開される。
もとは1906(明治39)年にイギリス人貿易商A.E.ヘイガー邸として神戸の異人館街・北野町に建設された洋館。太平洋戦争後、1949(昭和24)年から1978(昭和53)年まで日本郵船株式会社の社員寮として利用された後、神戸市が譲り受け、1981(昭和56)年に開催された神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア’81)に合わせて、現在の所在地、ポートアイランド北公園に移築された。喫茶店や結婚式場として親しまれていたが、老朽化のため、2008(平成20)年にいったん閉館となった。
そこで、神戸に本社を置く医療機器メーカー大手・シスメックスが、 歴史的建造物であり、多くの市民の方々に親しまれているみなと異人館の外観や、港と一体となった景観を、神戸市民をはじめ、公園を訪れる多くの方々に楽しんでもらえるよう、 2012(平成24)年、神戸市と10年間の賃貸借契約を結び、建物を改修してゲストハウスとして使用している(通常は非公開)。2014年に「景観形成重要建築物等(※)」に指定された。
館内では「神戸らしさ」をキーワードに、神戸港の歴史などをパネルなどで紹介。2階の展望室からは、神戸大橋と神戸港の船客ターミナルが一望できる。
シスメックスは地元・神戸の文化発信や、さらなる活性化を目的に、みなと異人館を定期的に一般公開していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため2年間中止していた。
今回は3年ぶりの公開となる。当日の開館時間は10時~17時で入館は無料だが、 感染防止対策のため、例年行われているジャズ演奏やドリンクサービスは予定していない。 さらに、入館者数を1時間おきに50人に制限するため、先着順に整理券を配布する(午前の部は10時~/午後の部は13時~配布 最終入館時間は16時)。
※景観形成重要建築物等は「神戸市都市景観条例」に基づき指定される。歴史的な建築物や地域のシンボルとなっている建築物など、景観上重要な建築物など(周辺の樹木・樹林・庭園・池水なども含む)について保全・活用を図る制度
◆シスメックス 公式HPより
【みなと異人館を一般公開~神戸の歴史を今に伝える~】