徹底的にリアリズムを追求して恋人同士を撮った、映画『わたし達はおとな』が6月10日(金)、全国公開です。
主人公は、美術大学でデザインの勉強をしている優実です。ある日、自分が妊娠していることに気づきました。
恋人は、優実とは別の大学の演劇サークルに入っている直哉で、同棲しています。
アルバイトを終えて帰ってきた直哉に優実は「怒らないで聞いて欲しいんだけど……」と前置きして、妊娠したことを告げます。
直哉は「おめでとう」と、言葉の上では祝福し、父親として責任をとると言います。ただ優実には、おなかの赤ちゃんの父親が直哉なのかどうか確信がなく、それを直哉へ伝えます。
2人がつきあうきっかけとなったのは、優実が舞台公演のチラシをデザインすることになり、この舞台の演出を手掛けていたのが直哉だったことです。直哉は将来、プロの演出家として自分の劇団を持ちたいと考えています……。
優実を演じるのは、『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』 の木竜麻生。直哉役は、『のさりの島』『佐々木、イン、マイマイン』の藤原季節。監督は「劇団た組」を主宰する演出家で脚本家の加藤拓也。初の長編映画です。
今作に出てくるセリフは、まるで現実の生活での会話のようにリアリティーがあります。登場人物の声の出し方、視線や体の動きを見ていると、恋愛映画というよりドキュメンタリー映画のように感じられます。加藤監督はカメラの角度や位置を徹底的に工夫したということで、この結果、観客はカップルのリアルな生活をのぞき見しているような感覚でスクリーンを見つめることになります。
“へたくそだけど私らしく生きる”等身大の女性をつむぐプロジェクトとして、メ〜テレと制作会社のダブがつくる「(not) HEROINE movies」のシリーズ第1弾です。
映画『わたし達はおとな』は6月10日(金)公開。テアトル梅田・なんばパークスシネマ・アップリンク京都では6月17日(金)から。シネ・リーブル神戸は6月24日(金)から公開です。(SJ)