【大丈夫】本来の意味だと「いま『立派な男子』?」「うん『しっかりしてる』」⇒“言葉は生き物”と再認識 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【大丈夫】本来の意味だと「いま『立派な男子』?」「うん『しっかりしてる』」⇒“言葉は生き物”と再認識

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「危険や損失・失敗を招くおそれが無いと断定できる状態だ」「よい結果になることを請けあう様子。(一部省略)」

 あれ? これなら、普段使っている意味とそれほど離れていない。

 気になったのは、2つめの「大丈夫」の上に※印が1つ付いていたこと。新明解で「※」は重要語、「※※」は最重要語を指し、「大丈夫」には“重要語”を示す「※」が1つ付いていました。

 巻末の説明によると、「日常の言語生活において十分にその意味、用法に習熟していると考えられる」ということであり、本来の意味ではないものの、「日常で、十分その意味を把握して使っている意味」ということだそうです。だとすれば、冒頭に書いた電話での使い方も、本来の意味ではないけれど「使用して差し支えない」、と捉えることもできます。

 小学館で長く辞書の編集に携わっている「言葉のプロ」・神永曉さんは、自身の著書『悩ましい国語辞典』(時事通信社)のなかで、この「大丈夫」ついて、たくさんの国語辞典にある本来の意味を紹介しながら、自身の経験や思いをこうお書きになっています。「従来なかった新しい意味だからといって、私には不適切と決めつける勇気はない。むしろこの新しい『大丈夫』が辞書に登録される日も遠くないような気がしているのである」。

 私自身も、言葉に関しては「本来の意味や使い方が最も正しい。言葉を生業としているアナウンサーとして、それは最も優先される」という思いを持って言葉と向き合ってきました。しかしここ数年は、「言葉は生きていて常に変化・進化するもの」ということを実感・痛感しています。神永さんの言葉を読んで、改めてその思いを深くしました。

 これからも本来の言葉の意味を学んだ上で、進化した言葉や意味と向き合いたいと考えています。皆さんはどのように思われますか?

 言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します。「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していきます。

(「ことばコトバ」第58回 ラジオ関西アナウンサー・林 真一郎)

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