「断トツの最下位」←誤用です 2語が合体 現在は1語としても認識 1960年代にはすでに存在 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「断トツの最下位」←誤用です 2語が合体 現在は1語としても認識 1960年代にはすでに存在

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 一方、『日本俗語大辞典新装版』(東京堂出版)では、『広辞苑 第三版』が改訂されたことに触れ、「新しいことばも収録されているそうだ。『今一(いまいち)』『打っ千切り(ぶっちぎり)』『断トツ』『過労死』(以下略)…」などとあります。広辞苑第三版が出版されたのが1987(昭和62)年です。ということは、この段階で、かなり世に広まっていたということはいえそうです。

 誰が最初に使い出したのかはわかりませんが、おそらく当時は「断然トップ=首位」という意味で市民権を得て使われていたのが、時代が進むにつれ「ひとつの言葉」として、つまり「名詞」としてとらえられることで、語源も曖昧になってしまったと考えられます。こうしたことが、冒頭の「断トツの最下位から~」という変な日本語の表現につながっているのかもしれません。

 言葉の意味を考え、字を書き、そして使うことが改めて大事だなと感じます。しかし最近は、文字などに含まれる意味や背景よりも「音感」が先行して、新しい言葉がどんどん生まれるため、対応できないことがしばしばあります。そういう意味では、若い世代の感性や感覚は「すばらしい」「よくついていけるな…」とおじさん世代は感嘆しています。とはいえ、時々「イラっ」とすることもありますが…いや、失礼しました。

(「ことばコトバ」第59回 ラジオ関西アナウンサー・林 真一郎)

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