サッカーの天皇杯(天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会)は、22日、3回戦の全16試合が行われる。2度目のカップウイナーを目指すヴィッセル神戸は、J2のレノファ山口FCと、山口・維新みらいふスタジアムで対戦。そのスターティングメンバーが発表され、ヴィッセルは18日のJ1リーグ戦第17節・柏レイソル戦からスタメンを6人変更。FW武藤嘉紀選手らが起用されている一方で、MFアンドレス・イニエスタ選手は試合のメンバーから外れた。
ヴィッセルはGKに飯倉大樹選手が入り、天皇杯2戦連続の先発に。また、MF扇原貴宏選手が約1か月半ぶりの戦線復帰を果たした。そして、天皇杯2回戦で起死回生の同点ゴールを奪ったFW佐々木大樹選手が約3か月ぶりにスタートからピッチに入ることに。さらに、柏戦では微妙な判定のPKに泣き前半のみで交代となったDF菊池流帆選手も先発。古巣との対戦となり、山口・みらスタに2019年シーズン以来の凱旋を果たすことになった。
「アウェイでJ2の相手との対戦となるため、難しい試合になることはわかっている。前回もJ3のチームに苦しめられ、今回も簡単な試合になるということはないという気持ちで挑みたい」と試合前日に語ったロティーナ監督は、「重要な天皇杯という大会で次のラウンドに進まなければいけないというところもあるなか、戦えるチームを用意する必要がある」と、タイトな日程でもこの一戦にかける思いを述べている。
また、「天皇杯は来季のACLへつながる大会なので、気を抜かず、カップ戦だからといって気持ちを緩めることなく、チーム全体で戦っていきたい」と意気込みを語った佐々木選手は、クラブ生え抜き、期待の選手の1人であり、カップ戦2試合連続ゴールも期待される。「チーム的には結果が出ていないので、若い力というわけではないが、僕らが少しでも元気づけて、勢いづけていかないと、このチームは変わっていかないと思う。上に頼るだけではなく、若手も自分たちでやるんやぞという気持ちでやっていかないといけない」という背番号22の活躍も見逃せない。
リーグ戦では苦しい状況だが、天皇杯やACLでは奮闘が目立つヴィッセルとしては、このトーナメントでチームの原点=勝ち方を思い出したいところでもある。「Jリーグと違う大会のなかで、選手もメンタル的に違うメンタルで臨めるのは、勝つ側面では、トーナメントで結果を出しているチームとして、いい影響というか、いいタイミングで今回試合があってくれたなと思う」というのは、飯倉選手。ただし「天皇杯に勝ったからといって、Jリーグで勝つのはまた別モノだと思うので。それは一緒にしないというか、正直勝っても負けてもちゃんと自分たちが何をすべきかというのが大事。勝つことが大前提だけど、今後も勝つために、自分たちがすべきことを放棄して勝っちゃうと、それは一番よくない」と、百戦錬磨の守護神はあくまでその内容にフォーカス。勝つためにチーム全体が同じベクトルを向くことが重要だと語っている。最後方から、正確なゴールキーピングだけでなく、果敢にビルドアップにチャレンジし続けるなど攻撃面でも特徴を持つ36歳のGKは、チームの課題をよく理解するひとり。そんな背番号18からも目が離せない。
相手の山口は、DF渡部博文選手やFW大槻修平選手といった、かつてヴィッセルのユニフォームに袖を通した選手が先発入りしている。古巣を迎え撃つなか、彼らをはじめ、J1経験者を多くそろえるチームは、地元の後押しを受けて、ジャイアントキリングを狙ってくるだろう。
その圧力をヴィッセルがどのように跳ね返すかも見どころだ。柏戦の鬱憤を晴らすためにも、26日からのJ1後半戦へつなげるためにも、そして、カップ戦で再びタイトルを目指すためにも、クリムゾンレッドには重要な一戦になる。キックオフは午後7時。
【ヴィッセル神戸】
天皇杯3回戦 vsレノファ山口FC
スターティングメンバー
GK 18 飯倉大樹
DF 23 山川哲史
DF 17 菊池流帆
DF 3 小林友希
DF 19 初瀬亮
MF 33 扇原貴宏
MF 5 山口蛍
MF 22 佐々木大樹
MF 16 汰木康也
FW 9 ボージャン・クルキッチ
FW 11 武藤嘉紀
控えメンバー
GK 32 廣永遼太郎
DF 24 酒井高徳
MF 25 大﨑玲央
MF 7 郷家友太
MF 15 橋本拳人
MF 20 井上潮音
FW 10 大迫勇也