2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は27日、万博開幕まで1000日前となる7月18日に、大阪と東京でイベントを開催すると発表した。関西圏のみならず、全国的に「大阪・関西万博」の開催に向けたカウントダウンをスタートさせ、開幕への機運を高めたいとしている。
大阪・関西万博では世界中の150か国・地域、25の国際機関の参加を目標としている。
石毛博行・博覧会協会事務総長はこの日の会見で、120か国・地域、7つの国際機関が参加表明し、未公表の地域を含めると約9割に達したことを明らかにした。
10月下旬には参加国や国際機関が出展準備を進めるための情報提供を行う国際会議=IPM(International Planning Meeting)を日本で開くという。
経団連会長の十倉雅和・博覧会協会会長は、想定外の参加国増加を歓迎した。今後復調するであろうインバウンド(訪日外国人客)の来日効果については「折しもの“円安効果”もあり、(この先の)入国制限の緩和に期待したい。日本の自然、文化、食など親しんでもらい、好きになってもらうことが、日本のソフトカルチャーの輸出につながる」と期待を込めた。
十倉会長は、2021年夏に開催された東京五輪・パラリンピックについて、新型コロナウイルスによる史上初の1年延期を経て、運営面でも感染拡大防止に向けた困難に直面するなどした分、万博でこうした側面を解消すべく、「開幕時の姿を意識した準備がこれから本格化する。各計画の具体化、実践を進める」と話した。
当初約1200億円とされた会場建設費は、資材価格の高騰などが影響し、1.5倍増の約1850億円と膨らんだが、協会側は、この範囲内で収めるように努めたいとしている。
建設費は国と大阪府・市、経済界がそれぞれ3分の1ずつ負担する方式を取っている。それぞれの目標額は約617億円で、このうち経済界が負担する会場建設費の寄付金は、関西の経済界が先行する形で約376億円(2021年度までに)にのぼったことも明かした。
法人の寄付額については、100口(100万円)から受け入れていたのを、2021年12月、10口(10万円)から受け入れたことも増加につながったとみている。石毛事務総長は「それなりの手ごたえはある」と述べた。
この日は大阪商工会議所会頭・鳥井信吾氏(サントリーホールディングス副会長)と関西経済同友会幹事・生駒京子氏(プロアシスト社長)も、協会副会長に就任して以来、公式の場で初めて登壇し、「関西から世界への発信力をさらに高めたい」などと抱負を述べた。
2025年大阪・関西万博は2025年4月13日~10月13日の184日間、大阪湾の人工島、夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)で開催される。