――ずばり、夏フェスの魅力はなんでしょうか。
【菊地さん】 いろんなアーティストや音楽、人が1か所に集まり、いろんな思いがあるなかで、ひとつの楽しみを見つけられることです。ベテランのアーティストも若手のアーティストも一堂に会し、みんなが同じ目線で楽しむことができるのは、フェスの大きな魅力ですね。
コロナ禍によって2年間フェスに行けなかったこともあり、今年は観客のモチベーションも高くて、前向きに楽しもうという方が多いように感じます。
――落ち着いたとはいえ、コロナ禍が続いている今年はどのようになるでしょうか。
【菊地さん】 もちろん、コロナが収束したわけではないので、完璧にコロナ禍前の状況に戻ったわけではありません。しかし、今年は海外アーティストも来日しますし、アルコールの提供を行うフェスがほとんどなので、通常運転に近いと言えるでしょう。
丸1日を野外で過ごすフェスにとって、楽しみのひとつである飲食ブースは欠かせません。そのため、今年はライブスペースと飲食スペースを分けて設置するところが多いですね。それぞれのフェスによってルールは違いますが、感染症対策をしっかり行なったうえで運営しているので、観客の皆さんもルールに則って楽しむ必要があるでしょう。
フェスが好きな人たちには「自分たちの好きな文化を守るために、ルールはしっかり守ろう」という風潮があります。その意識をみんなが持って、フェスという文化をちゃんと守って欲しいですね。
――「夏フェスはとにかく暑いから行きたくない」という人も多いですよね。
【菊地さん】 確かに夏フェスは日中ものすごく暑いですが、夕方、太陽が沈んでからは涼しくなりますし、気持ちいいですよ。ただ今年の夏は暑いみたいですし、無理だけはしてはいけません。熱中症にでもなったら、自分も周りも楽しめなくなってしまいます。日々の生活のなかでも同じですが、とにかく無理をしないでフェスを楽しむことが大切です。
そして、大きな意味で、フェスは未来のライフスタイルが提示されている場所でもあると思うんです。特に自然が近くにある郊外のフェスは、「暑い」「寒い」「雨が降ってきた」というさまざまな環境のなかで、それらすべてを感じながら1日を過ごす場となります。「今日1日をどう楽しもうか」というのをぜひ考えながら、暑さも楽しんでほしいですね。