和定食に欠かせない『御御御付』 食べたり飲んだりすすったり… 「具が2種類以上」が江戸の町での決まり | ラジトピ ラジオ関西トピックス

和定食に欠かせない『御御御付』 食べたり飲んだりすすったり… 「具が2種類以上」が江戸の町での決まり

LINEで送る

この記事の写真を見る(1枚)

「御御御付」。これ、何と読むかご存知ですか?

 正解は「おみおつけ」です。先日、『「言いたいこと」から引ける大和ことば辞典』(東京堂出版)を開いて見つけました。

『広辞苑 第七版』(岩波書店)には、「『御味美御付』味噌汁の丁寧な言い方」とあります。

『日本語源大辞典』(小学館)には、「『御味御汁・御味御付』 『おみ』は味噌のこと。味噌汁をいう丁寧語」。

 そして前出の『大和ことば辞典』には「味噌汁の丁寧語」とあり、「味噌汁をご飯の添え物であることから『お付け』といい、それに丁寧の接頭語『お』『み』を付けたもの」などと書かれています。

 ところで、味噌汁は「食べる」「飲む」「吸う」「啜(すす)る」…皆さんはどの表現を使いますか?

「『サバを読む』の『サバ』の正体 NHK気になることば」(NHKアナウンス室編/新潮社)に、詳しく書かれています。全国の地域ごとの呼び方を紹介した上で、「地域によっての特徴はあまり見られないようです」と記載。そして、「江戸の町ではみそ汁の具が二種類以上と決まっていて、一日の活力の素(もと)として、大きなお椀で食べていたようです」と記されていることから、江戸の市民は「食べる」感覚だったと言えそうです。

 一方、「味噌汁」という言葉を広辞苑で引くと、「野菜・豆腐などを実(み)として、出し汁に味噌を溶かしたもの」と掲載されています。この説明からの発想だと「食べる」と言うこともできそうですが、「汁」は「飲む」。悩ましいところですね。ちなみに私は主に「飲む」派です。

 皆さんは、「御御御付」を食べますか? 飲みますか?

 言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します。「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していきます。

(「ことばコトバ」第62回 ラジオ関西アナウンサー・林 真一郎)

LINEで送る

関連記事