「とりあえずビール!」 そもそも『とりあえず』って? 本来の意味や漢字 辞書によってお堅い捉え方も | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「とりあえずビール!」 そもそも『とりあえず』って? 本来の意味や漢字 辞書によってお堅い捉え方も

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「十分に対応ができず、間に合わせにするさま。ひとまず。さしあたって」

 これなら、「ひとまずビールを飲んで、何を注文するかを考えようか」。実際の酒席もこれに近いですね。ただ、「ひとまず」と言うと、「ビール」がかわいそうな気がします。

 さらに、『基礎日本語辞典』(角川書店)を開くと…

「‘‘取るべき物も取らずに‘‘という基本義から、あれこれ是非を詮索する時間的いとまがないので、不充分な状態ではあるが、完全な状態になるまで待たずに事を行うという意味に用いられる。⇒さしあたり、ひとまず」

 そして、【分析】の欄に「(前略)不十分、不完全なまま事を実行に移す、という点では『いちおう』に近い。ただし、『とりあえず』は、(中略)やむをえない行為に用いる。『いちおう』には時間的制約はないが、試しに/事のついでに/念のため(一部略)等の、仮の行為という発想がある。(以下省略)」

 辞書によって様々な意味が見られる「とりあえず」。本当は微妙な違いがあるにもかかわらず、会話する者それぞれが、意味を取り違えることなく使いこなしています。日本語独特の魅力と言えそうですが、外国の方からすると、とても複雑な、難しい言葉と言うこともできます。

 言葉は時代とともに変化します。「ことばコトバ」では、そんな言葉の楽しさを紹介しています。

(「ことばコトバ」第63回 ラジオ関西アナウンサー・林 真一郎)

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