夏の風物詩「お中元解体セール」を最近見なくなった理由 阪急うめだ本店・阪神百貨店では数年間実施せず | ラジトピ ラジオ関西トピックス

夏の風物詩「お中元解体セール」を最近見なくなった理由 阪急うめだ本店・阪神百貨店では数年間実施せず

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 お世話になった人に日頃の感謝を込めて贈る夏のごあいさつ、「お中元」。その後に各百貨店などで開催される「お中元の解体セール」までが夏の風物詩ですが、この「お中元解体セール」、最近見なくなったような気がしませんか。ニュースでも毎年、お中元解体セールの様子が流れるのが定番となっていましたが、近年は目にしません。

 お中元の解体セールは開催されなくなってきているのでしょうか。関西の各百貨店に聞きました。

お中元解体セールが少なくなっている?

 阪急うめだ本店(大阪市北区)の広報によると、阪急うめだ本店では2019年に開催された、お中元解体セールにあたる『食品大バーゲン』を最後に開催していないとのこと。理由については、「お中元の余りが出なくなったから」だそうです。「以前までは大量発注・大量生産されていた各お中元の商品が、現在では顧客による予約注文が主流になったのと、メーカーの計画的な商品製造により無駄がなくなり、結果的に解体セールに出す量のお中元の余りが出なくなりました」とのこと。

 阪神百貨店(大阪市北区)の広報にも聞きましたが、阪神百貨店ではお中元・お歳暮の解体セールにあたる『阪神食品ジャンボ大市』を2019年の8月、2020年1月にそれぞれ開催して以降、解体セールにあたる催事はおこなっておらず、理由は同様に「余りが出なくなったから」だそう。また、お中元解体セールが今後復活する可能性も限りなく低いとのことでした。

阪神百貨店梅田本店(右)と阪急百貨店梅田本店<大阪市北区>

 一方で、例年と同様にお中元解体セールを行う百貨店もあります。あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区)では毎年、お中元・お歳暮の解体セールにあたる催事を行っており、今年も予定通り開催するとのこと。同百貨店の広報によると、「解体するお中元が少ない」という事情は他の百貨店と同様だそうですが、「解体品とお買い得商品を組み合わせることで開催を継続している」とのことでした。継続する理由としては、「毎年定番の催事としてお客様からの要望も多く、ご期待に沿う形で開催している」とのことでした。

 近年のお中元の傾向についても聞きました。阪急うめだ本店の広報によると、商品では洋菓子、ビール、ハム・ソーセージが人気であるのは昔から変わらないそう。さらに、最近では送り先とは別にお試しで「自分も食べてみたい」と、自身に贈る人も増えているそうです。

 マナーとして、東日本は7月上旬〜15日、西日本は7月中旬〜8月15日までに贈るのが一般的なお中元。「解体セール」自体は今後も減っていきそうですが、自分に贈るなど新たな楽しみ方も生まれるなど、お中元という夏の風物詩は今後も形を変えて残っていきそうです。

(取材・文=宮田智也 / 放送作家)

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