■都道府県独自の「BA・5対策強化宣言」、あくまでも協力要請
政府は29日、新型コロナのオミクロン株の派生型BA・5による感染急拡大を受け、都道府県が独自に発信できる「BA・5対策強化宣言」を新設すると発表した。病床使用率が50%を超えるなど医療提供体制がひっ迫した場合、国ではなく都道府県が地域の事情に応じて宣言を出すもの。
感染者の急増にともない、医師・看護師をはじめとした医療従事者の感染者や濃厚接触者が急増し、一部の鉄道・バスなど公共交通機関では、運行に必要な乗務員を確保できなくなるなか、生活インフラの崩壊につながりかねない。
■「高齢者にしぼって行動制限、というのも…」
大阪府茨木市の会社員の女性(30代)は、ウイルスの弱毒化や重症化率の低さはわかるが、「これだけ『第7波到来』や『感染者急増』などと連日報道されても、自ら外出自粛することもなく、近親者に感染者が出ても自宅待機することもないと思います。
今回、行動制限がないことで外出の際の後ろめたさはありませんし、飲食店などの時短営業がないのは便利ですが、本当にこれで良かったのかと思います。振り返れば、5月の大型連休後も、目立って感染者が増えなかったことで、国は急な対策を打つ必要性を感じていなかったのかと思います。経済を循環させることも大事ですが、今は一律の措置を取らないと、第7波が収束したとしても、次に新たな変異株が出現した時に同じことの繰り返しになるんじゃないでしょうか。結果的に後手に回ったような気がします。
まん延防止等重点措置や緊急事態宣言時のような、人の動きがなくなる状態までは求めませんが、今、私たちに伝わってくるのは、『高齢者の感染対策に留意してほしい』と言うだけで、重症者や死亡者が(今のところ)少ないから何も対策を打ち出さないのは疑問です」と不安感を隠せない。