救助活動やパトロールをおこなう「神戸ライフセービングクラブ」の代表・山根さんは、「水深・水流や水の透明度、満潮・干潮の時間のチェックはしておきましょう」とアドバイス。泳いでいる最中、急に足がつかないほどの深い場所に出ると、パニックになり溺れてしまう可能性も高いそうです。溺れた際には「『助けて!』と叫べるかどうかが明暗を分けることもある」とのこと。万が一の時に、ひと声挙げることも大切です。
また、山根さんによると、装備しておく持ち物にも注意が必要だそう。
「水中メガネやシュノーケルは、普段から慣れている上に使いこなせないと、逆に溺れる原因になりかねません。また、プールで使うようなスイミングゴーグルは海には適さないので、海水浴では使用しないこと。ライフジャケットか腕に通すアームヘルパーを持っていくと、浮力が得られてひとまず呼吸を確保できます」(山根さん)
どれだけ準備やリサーチを重ねても、ちょっとした環境の変化で事故につながりかねないのが海の恐ろしさ。何よりも、不安や恐怖を覚えてパニックにおちいることが一番危険なため、少しでも怖さを感じたら海から出ることや、気が動転しかけたら一度落ち着きを取り戻す意識が必要とされます。
海で泳いだり遊んだりする際、十分に警戒するのは大切なこと。一方で「怖がりすぎるあまり、海に近づかないというのも問題」と山根さんは話します。
泳ぐ・潜る・流れるといった水場での動きや、海洋生物とのふれあいは大事な思い出や体験につながります。正しい知識と対策でそなえ、残りの夏、海を満喫しましょう。
(取材・文=つちだ四郎)
※ラジオ関西『Clip火曜日 GO!HYOGO!』2022年7月19日放送回より
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