女子サッカーのINAC神戸レオネッサは20日、2022-23シーズンの最初の公式戦となる「2022-23 WEリーグカップ」の初戦(グループB・グループステージ第1節)で、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースと対戦する。会場は大阪・堺のJ-GREEN堺S1メインフィールド。キックオフ予定は午後7時。
昨年秋から始動した女子サッカーの国内プロリーグ・WEリーグで、初代女王に輝いたINAC神戸。最初のリーグMVPとなったGK山下杏也加選手や、その絶対的守護神とともに優勝の立役者となったFW田中美南選手、MF成宮唯選手、DF三宅史織選手といった、なでしこジャパン(日本女子代表)にも選ばれている選手たちが今シーズンも軸となるチームは、2年目を迎えるWEの舞台で最も注目されるのは間違いない。ただし、一方で昨シーズンから大きくメンバーも変貌している。
まずは、新指揮官に、Jリーグのヴィッセル神戸などで活躍した朴康造(パク・カンジョ)氏が就任。リーグ優勝に導いた星川敬監督(現、J3・Y.S.C.C.横浜監督)の後を引きつぐ形になった42歳は、女子チーム、そしてトップカテゴリーで指揮をとるのが、今回が初となる。
現役時代、ピッチでは熱く、かつ、クールに、右サイドの中盤でハードワークを続けたヴィッセルのレジェンドプレーヤーは、7月末の新体制会見で、「しっかりチャレンジをして、優勝に導きたい。チームとしてなれているところは(以前からの戦いを)継続しつつ、自分のサッカー観を落とし込んでいきたい」と意気込みをコメント。ルーキー監督がどのような采配をふるうのか、注目だ。
その朴監督を楽しみにしている1人が、ヴィッセル時代のチームメイトでもある元Jリーガーでタレントの近藤岳登。自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)でも、「カンジョさん」の指導者としての姿に期待のコメントを残している。
「(朴監督は)選手のときは淡々とマイペースでありながら、ものすごく技術の高いプレーを見せて、決めてほしいところでしっかり決めてくれた。たぶん緊張なんてしたことがないような人だと思う。そんな人がこのたび監督をやることになった。自分がプレーするのではなく、今度は選手を動かす、戦術を決めるという立場になり、その初舞台を、ヴィッセル時代を知るファン・サポーターも楽しみにしているのではないかと思う。カンジョさんが監督としてどんな立ち振る舞いをするのか、どんな服装で監督をやるのか、どんなコーチングをするのかまで間近で見たり聞いたりできるこの機会が本当に楽しみ」(近藤)
また、選手に目を向けると、キャプテンを務めていたチームたたき上げのMF中島依美選手(→マイナビ仙台レディース)や、DF西川彩華選手(→日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、病から復帰を果たしたFW京川舞選手(→1.FFCトゥルビネ・ポツダム/ドイツ)らが移籍。今年2月にアメリカへ旅立っているMF杉田妃和選手(ポートランド・ソーンズFC)を含めて、昨シーズンの優勝に貢献した選手たちがチームを去った。
そのなかで期待されるのが新戦力だ。特に、背番号が一桁台のDF土光真代選手(3番、→日テレ・東京ヴェルディベレーザ)とMF脇阪麗奈選手(7番、→ノジマステラ神奈川相模原)といった、なでしこリーグやWEリーグを経験している即戦力がいかにチームになじむかは、今シーズンの大きなポイントになる。彼女たちがお披露目となる今回のリーグカップ戦でどんなパフォーマンスを見せるかも、目が離せない。特に大阪府出身の脇坂選手は、かつて在籍したセレッソ大阪堺レディースではJ-GREEN堺をホームとして戦っていただけに、縁ある舞台で結果を残したいだろう。