ロマン溢れる『巨岩・磐座』 兵庫・阪神間3か所を巡る 芦屋「弁天岩」西宮「越木岩神社」神戸「六甲山」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ロマン溢れる『巨岩・磐座』 兵庫・阪神間3か所を巡る 芦屋「弁天岩」西宮「越木岩神社」神戸「六甲山」

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 イワクラ学会は、巨石を組み上げる技術は古墳時代以前にあったと主張しており、日本天文考古学会でも研究が行われている。

 近年、パワースポットとしても人気を集めるイワクラだが、平津さんは、岩にはストーリーがあり、そのストーリーに魅力を感じると言う。大昔から確かにその場所にその岩が存在し、関わってきた多くの人の思いや信仰がそこに込められているのだ。

◆六甲山(神戸市)
 古代のロマンが詰まった「イワクラ」。山奥にある場合が多いが、初心者でも気軽に見られる場所がある。それが六甲山だ。冒頭の弁天岩(登山道脇に位置する)を初め、多くのイワクラが残されている。

 なんと、レジャー施設として知られる六甲カンツリーハウスの敷地内にも、「天穂日命の磐座(あめのほひのいわくら)」と呼ばれるイワクラがある。天照大神と須佐之男命の次男である天穂日命が天から降り立った場所とされる場所だ。周辺には、古代からあったものかはまだ定かではないものの、人工的に配置されたようなストーンサークルも存在する。

天穂日命の磐座(写真提供:平津豊さん)

 他にも、三国岩、天狗岩、六甲山神社、六甲比命神社、甲山の南側・目神山、白山大神の磐座など、神社から登山道、ロッククライミングの名所まで、六甲山周辺には多くのイワクラが存在している。山頂付近に集中しているのは縄文海進の影響もあるという。一つひとつを巡ってその歴史に思いをはせるのもいいだろう。

 一方で、忘れ去られてしまったイワクラも多い。神社や自治体によって今も守られ、きちんと管理されているものばかりではないのだ。かつてその周辺に住んだ人々は、人里から少し離れた山中を後にして、神社の場所を、新しい生活圏内やお参りしやすい場所へと移していった。結果として、大本のイワクラが忘れられてしまうのはもったいなく、寂しい。

◆「イワクラ」巡り
 最後に、平津さんにイワクラ巡りの注意点を聞いた。まず、神社などできちんと管理されているものについては、一般的な鑑賞マナーを守ること。イワクラに登って写真撮影をした人が出たことで、その後、柵が設けられ撮影禁止になったところもある。そして山中に入る場合は、基本的な登山の装備をきちんとする。登山道を外れるのは非常に危険なので無理をしないことも大切だ。

 観光地の神社にも、境内や付近の山にイワクラがあるかも知れない。安全とマナーに気をつけて楽しみたいものだ。

※1 芦屋と神戸・有馬温泉を結ぶ自動車専用道路。

(取材・文=たかやまそら)

LINEで送る

関連記事