◆腕時計=「使ってナンボの実用品」? 分かれる価値観
RYさんは腕時計に興味を持ち始めたばかりの頃、売却や他人への譲渡には反対だったそうです。しかし次第に、極端に使用頻度が減った時計は次のユーザーの元に送り出して、多く使用してもらった方が、腕時計にとって幸せだ、と考えるようになります。どんなにピカピカの状態で保管されていても、腕時計はもしかすると、「もっと手首の上で時を刻みたい!」と思っているかもしれません。RYさんにとって、腕時計は「使ってナンボの実用品」であり、「使わない物が自分のテリトリーにあるのはモヤモヤする」そうです。
近年、腕時計は投資の対象として見られることが増え、「ロレックスマラソン」などを通じて手に入れたレアな高級時計を「転売」する人もいます。こうした経緯から、腕時計の売却には否定的な意見をよく聞きますが、使っていない、使う予定のない時計を売却して、次の時計の購入資金に充てたり、大切な誰かに譲って使用機会を増やすことは素敵なことだ、とRYさんは話します。正解のないこのテーマ、腕時計愛好家にとって、「手放す」という決断は手に入れるときと同じぐらい頭を悩ませるものなのかもしれません。
(ラジオ関西Podcast『やさしい腕時計』 #12『悩む…最近使っていない腕時計、持ち続ける?それとも売っちゃう?』より)