花の父親・司朗は心理療法室を営むドクターです。司朗は突然、繭子を連れて家に帰って来ました。
司朗「奇跡が起きたよ。お母さんだよ、目を覚ましたんだ。これから家族みんなずっといっしょだからな」
でも花は素直に喜べませんでした。“この人、お母さんじゃない”
花は次第に純と心を通わせていきました。純はインターネットに載っているニュース記事を花に見せます。
花「何これ?」
純「間違いだよね、古い記事だし」
それは交通事故当時の記事で、妹の月が死亡したことが報じられていました。
花「お母さんが帰ってきたとき違和感があったの。別人じゃないかって思って」
純「あの人、お母さんのふりをしているんじゃない? お母さんだと思い込まされているとか」
司朗の心理療法室では記憶をさかのぼり心の奥にあるトラウマを消す退行催眠療法を行なっていて、純がインターネットで調べると療法室の評判は高く、患者の信頼が厚いことが分かりました……。
この作品は片岡翔監督がオリジナル作品のコンテスト「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2017」の準グランプリを受賞した企画に改稿を重ね、映画化したものです。
花を演じるのは、映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』やドラマ『ドラゴン桜』などの演技が注目を集める南沙良。片岡監督は「僕が求めていることを少ない言葉で理解して、一発で的を射抜いてくる鋭さと天才性に驚きました」と南を絶賛しています。
主人公の幼なじみ・純役は、なにわ男子の大西流星。単独では初の映画出演で、監督は「撮影中の成長がすさまじく、クライマックスでは仕事を忘れて見入ってしまう程の芝居を見せてくれました」と称えました。