ところが、パパブブレが「遊び心」で企画した商品に対して、大阪は「ちょっと違った反応」を見せるのです。それは同社の予想を裏切る嬉しい結果でした。
「高級肉のビジュアルをイメージした『牛肉キャンディ』を全国発売したところ、じつは心斎橋店がどの店舗よりも売れたのです」（横井さん）
「それに『脳みそマシュマロ』などのユニークな商品への問い合わせや取材も、大阪のメディアが多かった。そこで、スペイン・カタルーニャ地方の伝統でクリスマスに飾ると幸運もたらす『カガネー人形』にちなんだ商品リリースが決定した時は、手始めに大阪の店舗でテスト販売を実施しました」（横井さん）
「オモロイもの好きな大阪人」というヒントを得たパパブブレ。2022年9月、大阪・なんばで新店舗をオープンするにあたり、とある企画を立ち上げました。なんば店のPR大使として『アメおばちゃん』を起用し、街でアメを配るというキャンペーンです。
「なんばに出店するからには、他と同じような“金太郎飴的”な店舗にはしたくない。少々“クセ強め”なユーモアでも、気軽に受け入れてくれる大阪の人たちに喜んでもらえるようなサービスを……と悩むうち、ふと頭に浮かんだのが『アメおばちゃん』だったのです」（横井さん）
「大阪独自のアメ文化を盛り上げるためには、リアルな『アメおばちゃん』が必要」と考えた横井さん。そこで、プロは使わず、あえて一般公募することに。はたしてその結果は……？
「なんと15名の応募がありました。YouTuberやボディビル大会の優勝者など、実に個性豊かな方々が集まってくれました！ 正直言って予想以上の反響だったため、予定に無かったオーディションを急遽開催。その中から選ばれた2名に『アメおばちゃん』として活動していただきます」（横井さん）
“大阪のおばちゃんらしさ”にフォーカスした数々の選考条件をクリアし、見事オーディションを勝ち抜いた『アメおばちゃん』が晴れてデビューを飾るのは、「岸和田だんじり祭り」に合わせた2022年9月17日・18日。南海・岸和田駅に向かう「特急サザン」の車内と、「なんばパークス」2階でアメの配布が予定されています。
令和の現代、レアな存在となりつつあった大阪の『アメおばちゃん』。スペイン発のキャンディショップをきっかけに大復活するかもしれません！
（取材・文＝つちだ四郎）
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