ロバート・キャパのもうひとつの顔 厳選の100点を展示 神戸で特別展 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ロバート・キャパのもうひとつの顔 厳選の100点を展示 神戸で特別展

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 20世紀を代表する報道写真家、ロバート・キャパ。戦場の写真で名を馳せたが、戦場以外=戦時下の市民の姿も多くカメラに収めている。戦場と戦場以外、そしてカメラマンとジャーナリストという「もうひとつの顔」とともに紹介する特別展が、神戸市東灘区の六甲アイランドにある神戸ファッション美術館で開かれている。2022年11月6日(日)まで。

 ロバート・キャパ(本名:アンドレ・フリードマン)は、1913年ハンガリーに生まれた。ユダヤ人女性ゲルダ・ポホリレ(のちのゲルダ・タロー)とともに、1936年頃から架空のアメリカ人写真家「ロバート・キャパ」として作品を発表した。その後、ゲルタは別の名前で作品を発表するようになるが、フリードマンは40歳で亡くなるまで、この名を使い続けた。本展では、東京富士美術館のロバート・キャパ・コレクションから厳選されたおよそ100点を展示する。

 兵士が撃たれた瞬間をとらえたとされる「崩れ落ちる兵士」の他、戦時下の市民の表情をとらえた写真が並ぶ。市民の視線の先には何があるのか、そしてその表情から何が起こっていたのか想像できる。「避難民移送センターにて」の打ちひしがれた少女の姿。3人の子どもを引き連れた兵士を写した「戦災孤児を『養子縁組』したアメリカ兵」。空を見上げたあと、表情を一変させ動き出す市民をとらえた「空襲警報が鳴り避難する人々」。いずれも市民を巻き込んだ戦争の実態を浮き彫りにしている。

 一方で、戦争と結びついたキャパのイメージを離れ、人々の日常をとらえた作品も展示し、ジャーナリストとしての側面にも光を当てる。親交のあったヘミングウェイやピカソなどの著名人のほか、市井の人々も多く写した。「ツール・ド・フランス」は、沿道で観戦する人々をとらえた。その表情や態度からそこには写っていない疾走する自転車を感じ取ることができる。

 また撮影旅行で訪れたウクライナ(旧ソ連)と日本の作品も並ぶ。

 キャパの写真からはいずれも、「写っていない部分に何があるのか」=不在の存在を感じ取ることができ、キャパの人々に対する眼差しとそこに写る人々の思いも伝わってくるようだ。

◆特別展「もうひとつの顔 ロバート・キャパ セレクト展」
会場 神戸ファッション美術館(神戸市東灘区向洋町中2-9-1)
会期 2022年9月10日(土)~11月6日(日)
休館日 月曜日、10月11日(火) ※10月10日(月・祝)は開館

◆同時開催 神戸ファッション美術館 ドレスコレクション展
「フランス文学が誘う街とファッション―19世紀後期から20世紀へ―」

 2022年は、フランスの小説家マルセル・プルースト(1871~1922年)の没後100年にあたる。19世紀後期のバスルスタイル、20世紀初頭のアールヌーヴォーなど、彼の長編小説「失われた時を求めて」の舞台となった当時のパリのファッションを紹介する。

神戸ファッション美術館
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