元Jリーガーの近藤岳登、『関西の朝の顔』としておなじみの赤﨑夏実、現役女子高生の女優・寺田光がパーソナリティーを務める、女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサ応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)。9月26日放送回では、25日に行われた「2022-23 WEリーグカップ」第6節、INAC神戸対サンフレッチェ広島レジーナ(S広島R)の一戦を振り返った。
WEリーグカップでグループBのINAC神戸は、グループリーグ最終戦となったS広島R戦で5点差以上で勝つことが決勝進出への条件となっていた。試合では、序盤から好機を作るも決め切れず、逆に前半30分に自陣でのミスから先手を奪われる。それでも、すぐさまFW田中美南選手のPKゴールで同点に追いつくと、終盤の80分(後半35分)、MF水野蕗奈選手の左クロスをMF成宮唯選手が頭であわせて勝ち越しに成功。結局、2-1でリーグカップのグループリーグ最終戦を勝利で飾り、グループBでは4試合で2勝2分けとなったINAC神戸。勝点8で首位の日テレ・東京ヴェルディベレーザ(東京NB)に並んだが、得失点差でおよばず、グループBの2位で終幕。今回から初めて開催されたリーグカップ戦でファイナリストになることはできなかった。
この結果を踏まえて、生観戦していたリスナー・ファンからは「正直、5点差で勝てたゲームなのかなと思った。10月から開幕するWEリーグ戦では、そこを突き詰めていかないと厳しいのでは。また、選手交代や起用も含め、まだまだ改善の余地はあるのかなと思った」という厳しい声も。それでも、「ゲームは激しくて互いに攻め合い、展開が速く、本当に面白かった。ああいうゲームを各チームが繰り広げられたら、リーグはもっと盛り上がるのかなと思う。各チームともレベルが上がっているように思うが、とにかく2連覇を期待して応援している」「選手たちは気持ちの入った熱いプレーを見せてくれた。よかったところ、反省すべきところを、リーグ戦につなげてほしい」「残念ながら決勝進出とはならなかったけど、素晴らしいゴールでの逆転勝利で、きっとリーグ戦に弾みが付いたと思う」と、連覇を目指すWEリーグでの奮起を願うメッセージも送られていた。
番組パーソナリティーを務める元Jリーガーの近藤岳登がこの試合や、前回の東京NB戦でも注目したのが、朴康造監督体制でのチームが志向する、MF伊藤美紀選手を軸とした組み立てだ。
「特にチームでやろうとしていることは、おそらく伊藤選手にボールをあずけて、そこから組み立てることを大事にしているのかなと。だいぶ伊藤選手にボールを集めているイメージがあったから。前もこのラジオで話したが、伊藤選手が持ったときに、周りがどう動くか、どこでスイッチを入れるか(が課題)。あまりにも伊藤選手が持ったあとに、出しどころに困って出せなくて、囲まれるシーンが多かったように思えた。そこは相手が絶対に狙ってくるところ、ボールをとったらチャンスだから。それを打開できたときに、もう1個チャンスが増えると思う。伊藤選手のところに2~3人がくるから、それを軽くいなして打開する、スイッチをそこで入れるとかできれば、もっと攻撃のバリエーションが増えると思うし、そこが1つ、ポイントになってくるのかなと思う。伊藤選手に限らず、そこのポジションに入る選手がどうやって試合全体のスイッチを入れられるかがすごい重要だなと、試合を見ながら思った」(近藤)
ただし、近藤は番組のなかで、伊藤選手を含めたチームのことをフォロー。「(選手など)聞いている方はもしかしたらすごくしんどい、ダメ出しに近いものがあるから、イラっとすることもあるかもしれないけど、そこを言われたときに意識はできるわけだから。ダメ出しされたら次の機会に何かをいかそうということは絶対にあるから。その話を受けて、選手が『あ、そうだな』と思ったところは改善していけばいいし、『それは違う』と思ったらそのまま突き進めばいいから」と自らの経験を踏まえてコメントする。
「『こうしろ』『ああしろ』という話しじゃなく、『こうしたらどうかな』『こうしたら見てるほうって楽しいよね』など、どんどん客観的な意見を出していくことが大事。(ファン・サポーター、リスナーを含めて)観た人の意見というのは、俺はすごい重要だと思う。ファン・サポーターの声を大事にできるチーム、大事にできる選手というのが、俺はこれからどんどん伸びていくと思う」と、客観的な意見が出てくる重要性を語った近藤は、「この番組もそうだけど、(ファン・サポーターを含めた)みんなでINAC神戸を創り上げることができるのが、INAC神戸のよさ。すべてに対して楽しく取り組むことが必要だと思う」と、チームにエールを送っていた。
なお、番組では、今回のS広島R戦では、INAC神戸の安本卓史社長が2019年4月から続けてきたスタジアムDJ「DJ83」の勇退もピックアップ。社長業だけではなく、スタジアムでも率先して試合を盛り上げてきたなか、今後は新たな試みに着手。その1つが、S広島R戦で早速行った、「CHEERPHONE(チアホン)」を活用したライブ音声解説サービス「INAC-WAVE」。今回は安本社長とWEリーグの岡島喜久子チェアが出演し、試合解説や裏話などのトークを披露した。生観戦をさらに盛り上げるツールとして、今後の展開にも期待がかかる。
さらに、安本社長はこのたび、十文字学園女子大学教授の石山隆之氏との共著「前例がないことをやってみる」(徳間書店)を上梓。今年5月に実現した東京・国立競技場でのINAC神戸ホームゲーム開催にこぎつけたときのエピソードなど、まさに前例のないことに挑んだ思いを一冊の本に収録している。安本社長をよく知る近藤は、「あのときの“やっさん”(安本社長)の動き方や情熱はパワーがあるなと感じたので、それが本から伝わるし、自己啓発というわけではないけど、それに近いことを感じられる本になっているんじゃないかなと思う」と述べていた。
●浜野まいか、なでしこジャパン入り
10月6日(兵庫)と9日(長野)に行われる国際親善試合に臨む女子サッカー・なでしこジャパン(日本女子代表)のメンバーに、INAC神戸からFW田中美南選手、GK山下杏也加選手、DF三宅史織選手と、FW浜野まいか選手が選出された。なお、6日はINAC神戸のホームでもあるノエビアスタジアム神戸でナイジェリア女子代表との試合が行われる。キックオフ予定は午後4時25分。