本物ではない牧師が結婚式に派遣される背景として、花田さんは「ひと昔前のチャペル挙式ブーム」を指摘します。
「キリスト教徒にとって厳粛なものであるチャペル挙式。新たな挙式スタイルとして日本に登場すると、“オシャレ”とあこがれられブームになりました。ファッション感覚でチョイスされていたように思います。なので牧師にも『ハンサム』や『雰囲気がある』など“それっぽい見た目”が求められていたことは事実です。当時、牧師が本物であることにこだわりを持つ人は少なかったし、本物を確保すること自体が難しかった。とはいえ爆発的に増えた需要に対応するため、このさい“外国の牧師っぽい人ならいい”という発想で、本物ではない牧師の派遣が横行したのでは……と推測します」(花田さん)
ですが、「多くは本物の牧師じゃない」というウワサめいた認識が広まっていったことで、逆に事態は好転。「本物」にこだわる人が徐々に増える結果となり、現在では司式者の半数が本物の牧師だといいます。
「今や“なんちゃって牧師”は過去のものになりつつあります。今後も真摯な気持ちで本物の牧師を派遣し続けることが、誤った認識を正していく唯一の方法ではないでしょうか」(花田さん)
『すみれカンパニー』に所属する外国人牧師たちは、じつは毎日挙式に派遣されているわけではありません。
「生活のために、派遣のない日は英語教師をしていたり、自身の事業を運営するなど、二足・三足ものわらじをはいている人が多いですね。だからといって『本物じゃない』ということではないのでご安心を」(花田さん)
結婚式のこだわりは人それぞれ。一生に一度のことだから、後悔しないよう「最高の一日」をつくりあげましょう!
(取材・文=宮田智也 / 放送作家)
◆株式会社すみれカンパニー
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