――ココアシガレットを製造したきっかけは?
【高岡さん】 この商品も、もともとは大人に憧れる子どもたちのために作ったお菓子なんです。発売当初は昨今のような「タバコ=有害」というイメージは世間に浸透しておらず、お父さんが吸っているタバコに憧れを持つ子どもたちのために製造をおこないました。
ただ、時代の変化にともない世の中は禁煙ブームとなりましたので、2011年からは「オリオンは貴方の禁煙を応援します!」というキャッチコピーとともに販売をおこないました。禁煙アイテムとしても流行しましたが、シンガーソングライターのあいみょんさんがココアシガレットを持った写真をSNSに載せてくださったことも大きかったです。おかげさまで生産が追いつかないほどに売れ行き好調です。
――ココアシガレット特有のスカッとするような味わいは何の味なのですか?
【高岡さん】 お口がスッキリするミントと、甘みのあるココアを混ぜ合わせたものが入っています。今思えば、チョコミントのはじまりかもしれませんね(笑)。駄菓子屋での発売開始とともに、非常に人気の商品となりました。子どもたちに人気のココアシガレットですが、10月3日からはドリンクとしても発売が開始されています。
また、大阪府との企画開発により子どもたちの読書への関心を高めるため、パッケージには絵本が読めるQRコードがついています。QRコードをスマートフォンなどで読み込むと、2冊の絵本を読むことができるため、子どもたちにとってさらに楽しいおやつ時間になればと思います。
さらに、10月10日には「お風呂の日」ということで、大阪のお風呂屋さんをココアシガレットの湯でジャックする予定です。ココアシガレットのアイスやドリンクも提供する予定ですので、ぜひ楽しんでほしいですね。
――今後の展望は?
【高岡さん】 実は、2018年より関西の駄菓子メーカー5社の思いが集まった駄菓子アイドル「da-gashi☆」というグループを結成しています。一時期はコロナ禍の影響で活動休止しておりましたが、今年8月からは駄菓子アイドルとして活躍しており、今後はさらに駄菓子業界が盛り上がればいいなと思います。
かつて、駄菓子屋さんはテレビのない時代からありました。当時の子どもたちにとって、大人の仕草や持っているアイテムがある種のトレンドだったんです。大人がしている何気ない仕草は子どもたちの憧れで、大人の真似をしたがったものです。そんな子どもたちの思いや夢を叶えるために、私たちは「見て楽しい。もらってうれしい。食べておいしい。またほしい」お菓子をいつまでも届けたいなと思います。
また、ココアシガレットもミニコーラも、ずっと売れ続けるお菓子になるのが夢ですね。それがオリオンのあるべき姿かなと思います。
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ミニコーラやココアシガレット、どの世代も一度は見たことがあるであろう駄菓子を提供し続けるオリオン株式会社。時代の変化とともにコンビニやお風呂屋さんなど、場所や形を変えて商品展開することが、いつまでも身近な駄菓子として愛される秘訣なのかもしれません。
(取材・文=弘松メイ)