そのために、考えごとは布団のなか以外の場所ですること。そして、眠たくなったら布団に入るようにしましょう。
そして、もうひとつ大切なのは、布団に入って25分経っても眠れないときは布団から出ることです。眠れないときは交感神経が優位に立ってしまっているため、一度起きて副交感神経を高める行動をしましょう。
方法は人ぞれぞれですが、おすすめはホットミルクなど温かい飲み物を飲むことです。また、読むならつまらない本がいいでしょう。推理小説などのワクワクするような本は、感情を高ぶらせてしまうのでNGです。スマホを見るのもおすすめしません。寝る少し前には電源を切り、寝るモードに気持ちを入れ替えましょう。
また、考えごとをするのは悪いことではないと言いましたが、気持ちが落ち込んでいるときは、自分を責めたり、反省したり、意識のベクトルが「自分」に向いていることが多いです。眠れないときは、自分の悪いところばかり考えてしまいますから、とにかくベクトルを「自分」から「他人」に変えて執着しないことが大切です。
そこでおすすめなのが、誰かへのプレゼントを考えること。日頃お世話になっている人に感謝を伝えるためにはどうすればいいか。物でなく言葉でもいいでしょう。家族や他人のためになることを考えているとネガティブな気持ちも切り替えることができますし、どうせ考えごとをするなら、ネガティブなことよりポジティブなことを考えた方が、周りも自分もハッピーな気持ちになると思いませんか?
◆井上智介
兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医として毎月約40社を訪問。精神科医・健診医としての経験も生かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動したり、精神科医としては、大阪府内のクリニックにも勤務。うつ病、発達障害などを中心に、精神科疾患全般に対応。すべての人に「大ざっぱ(rough)」に、「笑って(laugh)」人生を楽しんでもらいたいという思いから「ラフドクター」と名乗り、SNSや講演会などで心をラクにするコツや働く人へのメッセージを積極的に発信している。