1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」の最上部(高さ約60メートル)に取り付けられていた初代「黄金の顔」が2023年夏、万博記念公園(大阪府吹田市)で整備されている新たなパビリオンで常設展示される見通しとなったことが、大阪府などへの取材でわかった。
初代「黄金の顔」が立った状態で公開されるのは、大改修を行った平成初期以来、約30年ぶり。
2025年大阪・関西万博に向け、過去のレガシー(遺産)を生かして機運を高めたいとしている。
初代「黄金の顔」は直径10.6メートル、重さ約12トン。鋼板約340枚を組み合わせて、表面に金色の特殊フィルムを貼り付けていたが、長らくの期間、風雨にさらされて傷みが激しくなったため、1992年の大改修で分解され、公園内の収蔵庫に保管した。その際、ステンレス製の現在の2代目(初代と同サイズ)に取り換えられ、万博公園内にある収蔵庫に分解して保管されている。2018年に復元作業が完了し、あべのハルカス(大阪市阿倍野区)や記念公園内で一般公開され話題となった。
新たなパビリオンは、万博記念公園内の「EXPO’70パビリオン」(旧鉄鋼館)の南側に建設中で、1970年大阪万博当時、塔の内部で展示された恐竜「トラコドン」の模型や、各国パビリオンのミニチュア模型などの展示が予定されている。
大阪府の担当者は「2025年大阪・関西万博に向けて、1970年の大阪万博を知る“オールドファン”のみならず、当時を知らない若者にも注目されるレガシー(遺産)となれば」と話している。