あっけらかんとした性格の七瀬は、風俗店で仕事をしています。七瀬の店に来た常連客で俳優の慎太郎は、「若手監督の映画に出ることになった」と言います。七瀬は自分のことのように喜びますが、慎太郎は映画の知識が浅い七瀬を見下して、優越感に浸っています。慎太郎はプライドが高く、承認欲求の塊のような男でした。
金髪ギャルのショップ店員・美和は散らかった狭いアパートで、フリーターの泰造と生活しています。泰造は日頃からハイテンションで、「ウェ〜イ!」を連発してノリと勢いだけで生きる根拠のない自信家です。その反面、心配性で大事なところでテンパってしまうところもありました。
ここから物語は2年前にさかのぼり、演劇的要素がぐっと濃くなっていきます……。
今作は、劇作家で演出家の根本宗子が手がけた舞台を、根本自身が映像用に脚本を書き下ろして映画化したものです。
登場人物は男女8人。クズ男を引き寄せてしまう女性たちの苦悩をリアルに描いて、コミカルに見せます。
キャストは、前田敦子・Sexy Zoneの菊池風磨・趣里・千葉雄大・伊藤万理華・OKAMOTO’Sのオカモトレイジ・黒川芽以・三浦貴大です。監督は、MVやCMも撮る映像クリエーター・山岸聖太。今作の演劇要素を、映画の次元で組み直して広げ、新しい世界を作っています。
主人公の真知子を演じる前田敦子の存在感が絶大です。根本は前田の印象を「表現者としても人としても、クリエイターをかき立てる人だなという思いを新たにした」と語っています。
怜人役の菊池風磨については「怜人は誰がいいか考えていく中で、バラエティー番組でしゃべっている感じと重なって。実際、くだらないことをしっかりとやりきってくださって、怜人のシーンは終始笑いっぱなしでしたね」と演技センスを称えました。
今作の近藤多聞プロデューサーは、菊池にオファーした理由を「怜人というキャラは、本人的にはキメているつもりなんですけど、言っていることはしょうもないんです。なので、ある種のカワイさがないと、ちょっと見ていられないようなところがあるんですよね。その点、菊池風磨さんはバラエティー番組などでの姿から振り切って演じてくれそうな予感があったのと、振り切り方が面白さを生みそうだなという気がして」と明かしています。さらに遠藤里紗プロデューサーは「ご本人もナチュラルに面白い方ですが、怜人が出てくると何かそれだけで笑っちゃうんですよね」と評価しました。