神戸連続児童殺傷事件 加害男性に関わる全記録廃棄 神戸家裁「適切でなかった」土師守さん「特異な事件、検証のために残すべき」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神戸連続児童殺傷事件 加害男性に関わる全記録廃棄 神戸家裁「適切でなかった」土師守さん「特異な事件、検証のために残すべき」

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 神戸市須磨区で1997年、小学生5人が襲われ2人が殺害された連続児童殺傷事件で、逮捕された当時14歳の元・少年(40)について、少年審判の処分決定書や捜査書類など全ての事件記録を神戸家裁が廃棄していたことが関係者への取材でわかった。
 神戸家裁は20日、報道各社の取材に対し、廃棄処分について「記録の保存について、運用は適切ではなかった」と説明、詳しい経緯や廃棄時期については不明と答えた。

 関係者によると、廃棄された資料は、元少年の逮捕状や勾留状、捜査報告書、供述調書、実況見分調書、精神鑑定書、成育歴の調査報告書など。成人の事件で検察官が必要な資料を選別して裁判所へ送る際とは異なり、少年事件では全ての捜査記録を家裁に送るため、膨大な量に及ぶという。

 最高裁は、少年事件の捜査書類や審判記録は少年26歳になるまでの保存を内規に定めている。しかし社会的影響が大きい、いわゆる「重大事件」としての各種記録は、これらの期間が満了後も永久保存する「特別保存」を定めている。神戸家裁は、なぜ特別保存としなかったのかについても、理由は不明としている。

■事件の検証のために重要な資料~遺族・土師守さん

土師守さん(2022年5月 、事件から25年を前に)

 加害者の男性は2015年、事件に至る経緯、医療少年院を経て社会復帰への過程を綴り、事前に遺族へ何の断りもなく”元少年A”の名義で手記「絶歌」を出版し、物議をかもした。
1997(平成9)年5月24日、この事件で次男・淳さん(当時11歳)を失った土師守さんは、「彼(加害者の男性)への矯正教育は、まったく無意味だった」と憤り、抗議した守さんは2男性が1年に1回、近況を知らせる手紙の受け取りを拒否した。そして2018年から手紙は途絶えている。

 守さんはこれまでにも、「特異な、重大な事件だっただけに、そこに至る詳細な記録は、今後検証するため重要な資料となり得る」と話している。

 《神戸・連続児童殺傷事件》
1997年2~5月、神戸市須磨区で小学生5人が襲われ、山下彩花さん(当時4年・10歳)、土師淳君(当時6年・11歳)が殺害された。男性(元少年)は少年審判を経て医療少年院に収容され、2005年に本退院した。
 事件を契機に少年法が改正され、刑事処分可能な年齢が14歳に引き下げられるなどした。

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