新米がおいしいこの季節、ご飯のお供としておすすめしたいのが、兵庫県淡路島で家庭の味として浸透している「茎わかめの佃煮」だ。
宮城県や岩手県など、東北沿岸で養殖が盛んな「わかめ」だが、兵庫県淡路島も全国有数の生産地として知られている。淡路島では昭和36年頃からわかめの養殖が始まり、さまざまな研究を重ねた結果、昭和60年頃には南あわじ市を中心に1万トン以上の生産量を誇るようになった。
水揚げされたわかめは、生わかめや乾燥わかめなどに加工するため、茎の部分からカットされて仕訳けられるが、その茎の部分を醤油と砂糖でじっくりと炊き上げたのが「茎わかめの佃煮」だ。淡路島でとれるわかめは鳴門海峡の豊富な栄養分を蓄え、荒波にも耐えているため、肉厚でコシがある独特の食感になっている。
神戸市須磨区にある産直市場「ナナ・ファーム須磨」では、オープン当初から中尾水産の「茎わかめ佃煮」(200グラム・538円)が販売されているが、コリコリの食感と鼻に抜ける磯の香りが人気でロングセラーになっているという。同市場のスタッフは「おにぎりやチャーハンの具だけでなく、レンコンなどの根菜を使ったホットサラダのドレッシングに混ぜてもおいしい。食卓の主役ではないが、なかったらさびしい存在として味わってほしい」と話す。
■ナナ・ファーム須磨
兵庫県神戸市須磨区外浜町4-1-1
電話 078-733-7722
※店舗ごとに営業時間や定休日が異なるため、詳しくはナナ・ファーム須磨の公式サイトを参照