「防災推進国民大会」(通称:ぼうさいこくたい)が、10月22日と23日、神戸市灘区のHAT神戸で開かれ、JA共済連(全国共済農業協同組合連合会・代表理事理事長 柳井二三夫)は、体験型防災・減災プログラム「ザブトン教授の防災教室」のブースを出展した。
1995年に発生した阪神・淡路大震災では、住宅の損壊を免れたにもかかわらず、全体の6割の部屋で家具が転倒し、部屋全体に散乱した。家具の転倒は、下敷きになったり、延焼火災から避難が遅れたりするなどの被害拡大の原因にもつながる。
こうした教訓をもとに、「ひと・いえ・くるまの総合保障」を提供するJA共済では、日本各地で発生が懸念される巨大地震に対する防災・減災の取組みとして「ザブトン教授の防災教室」を全国で展開している。
この教室は阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、新潟県中越地震など過去に発生した巨大地震を再現する可搬型地震動シュミレーター「地震ザブトン」と、VR(バーチャル・リアリティ)ゴーグルやモニターによる地震発生時の室内の様子の再現を通して、地震の怖さを疑似体験してもらうことで、家具の固定など日頃の備えの大切さを呼び掛けている。
直下型の震度7の揺れを疑似体験した神戸市北区の小学校5年生の男子児童は「思っていたより揺れました。これから南海トラフとか大きな地震が起こるかもしれないので、どうしたらいいのか勉強したい」
熊本地震の震度7の揺れを疑似体験した兵庫県佐用郡の高校2年の女子生徒は「思っていたより揺れが大きくてびっくりしました。地震の時は頭を守る行動をと聞いていますが、地震は急に来るのですぐに動けるかどうか不安です。今からしっかり考えておきたいと思います」
東日本大震災の海溝型震度6強の揺れを疑似体験した兵庫県佐用郡の高校2年の女子生徒は「地震が収まってからもゆっくりとした揺れが続き、動けませんでした。津波が来るかもしれないので、どう逃げるかも考えておかなければと思います」と、初めて大きな揺れを体験して、防災への意識が高まっていたようだ。
JA共済連 農業・地域活動支援部の松尾一孝部長は、「VRを使っての疑似体験は、揺れの怖さを知るだけでない。この体験を通して、改めて地震に対する備えの大切さ、防災、減災への意識を高めてもらいたい」と語った。