また、会場の夢洲は人工島のため、建設資材などを運搬する工事車両の乗り入れは、橋とトンネルしかなく、同時期に工事が集中した場合、大渋滞が起きるのではという声も挙がっている。さらに建設工事費が、円安などによる資材コスト高騰で膨らんでいる。
石毛博行・博覧会協会事務総長によると、会議での各国からの質問は上下水道の引き込み時期や、使用する電気はカーボンニュートラルに対応しているのか、詳細な建設スケジュールはどうなっているのかなど細部にわたったが、約2時間にわたり、すべてに答えたという。こうしたことを踏まえ、さまざまな課題について窓口を一元化して対応する「ワンストップ・ショップ」を心掛けていると強調した。
博覧会国際事務局(BIE 本部・パリ)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長は、これまでに多くの万博の開催実績がある日本は、BIEにとって“古くからの友人”と表現した。そして「一番大事なのは、博覧会協会と大阪市が同じテーブルにつき、次へのステップとして輸送や物流面の最終的な解決策を見出すことが重要」と、さらなる支援と協力を求めた。そして「ドバイ万博が延期になった影響はあったが、大阪・関西万博については予定通り開幕できる。数か国から『本当に間に合うのか』という懸念はあるようだが、博覧会協会・大阪市・大阪府・参加各国が緊密につながり、必要な支援はすべて提供しなければならない。そのうえで準備をいかに迅速的に進められるかが問われる」と話した。
2日間の「国際企画会議」は100か国・5国際機関の計約240人が参加して26日に終了した。博覧会協会は今後も、開催準備と機運を加速させる。2023年秋には、公式参加国を対象とした「国際参加国会議(International Participants Meeting)」を開催する(開催地は未定)。