ドイツ第4の都市であるケルン市が運営するルートヴィヒ美術館。20世紀から現代までの美術作品のコレクションは、市民のコレクターたちによる寄贈を軸に形成されてきた。そのコレクターたちに焦点を当て、代表的な作品を紹介する「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡ー市民が創った珠玉のコレクション」が京都国立近代美術館(京都市左京区)で開かれている。2023年1月22日(日)まで。
ルートヴィヒ美術館は、1986年、ケルン大聖堂にも隣接したライン河畔に開館した。美術コレクターとして名高いルートヴィヒ夫妻が、ケルン市におよそ350点の作品を寄贈した1976年に美術館の構想がスタート。弁護士のヨーゼフ・ハウプリヒが1946年にケルン市立のヴァルラフ=リヒャルツ美術館に寄贈したドイツ近代美術のコレクションなどが移されて、ルートヴィヒ美術館の基盤が整えられた。今では「20世紀美術を紹介するお手本のような美術館」だという。
これまでにもルートヴィヒ美術館が所蔵する作品が日本で公開されることはあったが、美術館自体の紹介はなかった。今回は、日本のキュレーターが企画し、作品がいつ、どのような経緯を経て美術館にやって来たのか、コレクターの力を得てコレクションに加わったものに焦点を当て、展示する。
ヨーロッパ随一の優れたポップ・アートのコレクションやピカソやドイツの近代美術の名品など、約150点。写真も含まれている。「写真や映像を抜きにして20世紀美術は語れない」と言われ、絵画と合わせて見ることで、20世紀前半のふたつの世界大戦と戦後の復興、東西の統一を経てヨーロッパを代表する国のひとつとなったドイツの歴史を感じとることができる。
「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡ー市民が創った珠玉のコレクション」
2022年10月14日(金)〜2023年1月22日(日)
京都国立近代美術館 (京都市左京区岡崎円勝寺町)
休館日 月曜日 (ただし12月26日と1月9日は開館)12月29日〜1月3日