このあとは「別府」、「浜の宮」、「尾上の松」と続くなか、山陽電車は1984年で廃線となった別府鉄道や旧国鉄高砂線の線路をまたぎます。
そして加古川橋梁を渡ると、東播磨地域の西端のまち、高砂市にある「高砂」に到着。この高砂には「高砂や~、この浦舟に帆をあげて~」でおなじみの謡曲『高砂』の舞台となった高砂神社があります。ここにある夫婦和合の象徴の相生の松や能舞台はとても見応えがあります。また、街中には創業時の面影を残す梅ヶ枝湯があり、建物の内外に80年以上の歴史を刻み込んでいます。他にも肥料問屋だった花井家住宅などの古民家もしっかり保存されており、海側の工業コンビナートとのコントラストも面白い街です。
なお、高砂市内では今年11月19日(日)に「Night Fantasy Illusion 2022(ナイトファンタジーイリュージョン)」が午後7時から兵庫県立高砂海浜公園で開催されます。花火・音楽・レーザーによるイリュージュンとLEDライトのイルミネーションの競演が迫力満点に秋の夜空を飾ります。
これまで私自身、あまり降りる機会がなかった東播磨地区の山陽沿線ですが、サイドラインの各駅にはそれぞれの歴史と特長がありました。今度は時間を見つけて、ぜひ別府鉄道や国鉄高砂線の廃線跡をたどってみたいと思います。(羽川英樹)