このタイムループから抜け出すための方法を後輩が朱海に説明します。
「この呪いの石、部長がつけているものと同じものです……」
部長が右手首につけているブレスレットは‟呪われたパワーストーン“と呼ばれていて、年を取りたくない部長の願いに応じて時を操作している―それを本人に説明して自らブレスレットを壊すよう進言してほしい、というのです……。
タイムループをテーマとした映画は、『恋はデジャ・ブ』『オール・ユ ー・ニード・イズ・キル』『ハッピー・デス・デイ』『時をかける少女』など各国で作られていてSFの1ジャンルとして多くのファンがいるようです。
一般的にタイムループ作品は、主人公自身はタイムループしていることに気づきますが、周りの人物がまったく気づかず、主人公が事実を伝えるけれど誰も取り合わないという筋書きで進行します。
今作はそのセオリーを乗り越えて、主人公と周囲の人たちがタイムループしている状態を理解し、集団で力を合わせて繰り返しの日々から抜け出そうとする新しいストーリーが展開します。
広告業界をリアルに描く“お仕事もの”としても楽しめる仕組みになっていて、興味深い作品です。同じ一週間を何度も繰り返すことで、企画書がブラッシュアップされてレベルが上がっていく場面があります。主人公は「仕事をうまくいくまで繰り返して、最高の状態で転職してやる!」とタイムループを逆手にとることを考えます。
主人公の朱海を演じるのは、大阪出身の若手女優・円井わん。部長役は、マキタスポーツ。
監督は2021年春公開のドキュメンタリー『14歳の栞』が注目された竹林亮で、劇場映画2作目です。
主題歌としてヒップホップアイドルユニット・lyrical schoolの「WORLD'S END」がスクリーンを彩っています。
タイムループを信じようとしない部長に会議室でパワーポイントを使ってプレゼンするところは爆笑です。物語は後半、意外な方向に進みます。映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は、いま公開中です。(SJ)