僧侶が町おこしのために歌手活動→オリジナル曲「遺言」でプロデビュー決定 「お檀家さんに喜んでほしい」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

僧侶が町おこしのために歌手活動→オリジナル曲「遺言」でプロデビュー決定 「お檀家さんに喜んでほしい」

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 そんな中、父からお寺の様子を聞き、父の苦労、住職として頑張ってきたことを知り、音楽はどこの場所でもやれるから…という思いで、2019年、北海道に戻りました。お寺で僧侶として働きながら、音楽活動を続けていくつもりでした。

 しかしやはり場所が離れてしまうことで、少しずつファンも離れていってしまいました。寂しく思っていましたが、ある日、私が東京で音楽活動をしていたことを知ったお檀家さんから、「うちの町には目新しいものがないから、ライブとか何かやって盛り上げてくれないか」とお願いされたのです。

 浜頓別町は本当に小さな町で、地元の友人と東京へ行ったときに、渋谷のスクランブル交差点が青信号1回で3,000人近く通行することもあると聞き、浜頓別町の人口と同じくらいじゃないかと笑い話になったくらいです。

 ところがちょうどコロナ禍に入ってしまい、お寺でのライブ開催等もなかなかしづらい状況になってしまいました。そこで、どうやったらお檀家さんに喜んでもらえるかなと考えて、一般人の方が歌唱力を競い合うテレビ番組『歌唱力日本一決定戦【歌唱王】2021』のオーディションを受けてみたところ、準優勝という結果を残すことができました。

 私がテレビに出たことで、お檀家さんたちはとても喜んでくれました。テレビ出演から1年経った今でも、お檀家さんや町の方から「テレビ観ましたよ」と言ってくださることも多く、応援していただいています。

 私としてはずっと町おこしの気持ちで、お寺や町中でライブ開催をしたり、音楽活動を続けてきました。ミュージックビデオやジャケット写真もほとんど、浜頓別町を舞台にしています。残念ながら少子化が進み、大きな変化もない町ですが、私が諦めずに取り組み続けることで、もしかしたら何か良い変化につなげることができたら…と思って活動しています。

 僧侶と音楽活動を掛け持ちすることは、もちろん大変なこともあります。一番はやはり場所の問題で、稚内空港は雪のために飛行機が飛ばないことがあるため、旭川空港を使うとなると、東京まで片道5時間近くかかります。東京の仕事と法事とが重なって、往復の移動時間でヘトヘトになってしまうことも多かったです。

 歌唱王出演から、あっという間に1年が経ちましたが、遂にファーストシングル『遺言』をリリースできました。いつ、何が起こるかわからない昨今。「毎日が遺言だ」をテーマに制作し、全身全霊で歌っています。「毎日が遺言」であるからこそ、大切な人の一生が終わっても、誰かの生き様は心に残り、それを伝えゆく限り " 一瞬は永遠となる " という思いを込めて、作詞作曲しました。

 今回、不思議なご縁があって、上北健さんがプロデュースしてくださることになりましたが、上北さんとは感性も近く、とても刺激をもらいました。11月19日には、札幌でワンマンライブ『生前廻華』も開催します。これからも多くの方に曲をお届けできるよう、そして浜頓別町を盛り上げていけるよう、頑張っていきたいと思います。

11月19日(土)札幌ワンマンライブ『生前廻華』(加藤煕章さん提供)

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(取材・文=ししまる555)

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