【ハラミさん】 とっても人気でした。ただ、みんなで遊ぶというより、自分の世界観で遊ぶおもちゃでしたね。そーっと開けて、宝物のようにこっそり遊んで、こっそりつけていました(笑)。マニキュアや口紅は外にはつけていけないので、家の中で使うことで大人の階段を登ったような気分になっていました(笑)。
――どのシリーズが人気でしたか?
【ハラミさん】 「アコちゃんおしゃれセット」や「めぐみちゃんおしゃれセット」をはじめとしたおしゃれセットが人気でしたが、お風呂セットも人気でしたね。私は持っていなかったのですが、石けんやシャンプー、お風呂あがりにつけるベビーパウダー、クリーム、スポンジなどが入っていて、ふたが桶になっていたようです。当時はインターネットがなかったので、テレビCMを見た女の子たちが「欲しい!」と憧れていました。
――どのような遊び方をされていましたか?
【ハラミさん】 1人でこっそり、ぬいぐるみと一緒に遊んでいました。お化粧ごっことして、ぬいぐるみの手足にマニキュアをつけたことも……。お母さんは「あ〜、やっちゃったねえ」って感じで笑っていました(笑)。
――おしゃれセットシリーズの魅力とは?
【ハラミさん】 子どもにとって、大人の化粧品は使ってみたくても「ダメ」と言われちゃうので、なかなか使えないものですよね。普段は使えないものを“お子様専用”として販売してくれたのはとってもうれしかったですし、ワクワクしました。女の子のドキドキとワクワクを沸き立たせてくれたところが魅力です。
また、当時は子どもの数が多かったからか、子ども向けに販売されている商品が多かったんです。そのせいか、”お子様用〇〇”として子どもを特別扱いしてくれるおもちゃが多かったですね。そのようなうれしい記憶も一緒に残っています。
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おしゃれセットシリーズの発売後、別ブランドからも子ども向けのコロンや化粧品などが続々と販売されたこともあり、「もしかしたら子ども向けおしゃれグッズの先駆けだったのかもしれません」と語るハラミさん。
女の子の夢を叶えてくれた「おしゃれセットシリーズ」。ドキドキ感とともに、当時の子どもたちにおしゃれの楽しさやうれしさを初めて教えてくれた商品だったのかもしれません。
(取材・文=弘松メイ)